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奥川雅也、伊藤洋輝、旗手怜央はなぜ招集外だったのか? 中村憲剛が森保監督の選考理由を解説《吉田・冨安の代役CBも予想》
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byJMPA
posted2022/01/25 17:10
W杯出場に向けて正念場となるホーム2連戦で、森保一監督は招集メンバーに大きな変化を加えなかった。その意図を中村憲剛氏が解説する
グループ2位にいる現在はそういった空気感に包まれているはずで、森保監督が昨年10月のオーストラリア戦の劇的勝利をきっかけとした一体感を大事にしたいと考えるのは、至極当然なことなのかなと。僕が代表でプレーしていた当時とは時代は違いますが、雰囲気作りの大切さを身をもって経験してきたひとりとして、そのように考えます。
過日行なわれた国内組のキャンプについては、昨年末の記事で「爪痕を残してほしい」と書きました。実際に招集された選手たちは頑張っていたと見聞きしています。今回の2試合には招集されなかった選手たちも、この先につながる爪痕は残せたでしょう。
新型コロナウイルスやケガなどで追加招集が必要となった場合には、国内組からピックアップされていくでしょう。実際に中谷が追加招集で呼ばれていることも、国内合宿の充実を物語っています。
チーム全体が大黒柱の不在に奮い立っているはず
1月27日に対戦する中国は、監督が代わりました。つまり相手の出かたが非常に読みにくい。僕自身も経験がありますが、すごく難しいシチュエーションです。
新監督の初戦、なおかつアウェイゲームということを考えると、中国は非常に固い試合運びをしてくると想像できます。日本は試合の入り、とくに立ち上がりの5分から10分が大事になります。
具体的には、受け身の姿勢は取らずにどれだけ相手を見てプレーできるか。中国のシステム、戦術、出場選手が、戦前の予想と違うかもしれない。スタメン表ではDFが4人でも、実際は5人といったことがあります。その違いを、試合開始からどれだけ素早く一人ひとりが把握できるかがポイントになります。
相手は前からプレッシャーをかけてくるのか。5-4-1で守ってくるなら、カウンターの起点をどこに置こうとしているのか。
事前の想定との違いをそれぞれがいち早く確認し、整理したうえで相手の嫌なところを突く。それを周りも感じて複数の選手が連動し、ゴールを奪いにいくことが大切になってきます。
今回の連戦で勝ち点6を取ることができれば、グループ3位以内はほぼ確定するでしょう。3月の2試合でオーストラリアとアウェイで引き分け、ベトナムにホームで勝って2位以内を確保、というシナリオも現実的になってきます。
チーム内の空気を想像すれば、CBで出場が予想される選手だけではなくチーム全体が、吉田と冨安の欠場に奮い立っていると思います。「ふたりがいないから」とは絶対に言われたくないはずですし、闘志を漲らせているはずです。森保監督以下スタッフと選手たちの力を結集して、この苦境を乗り越えてほしい。いまの日本代表には必ず乗り越えられる力がある、と信じています。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。