サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
奥川雅也、伊藤洋輝、旗手怜央はなぜ招集外だったのか? 中村憲剛が森保監督の選考理由を解説《吉田・冨安の代役CBも予想》
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byJMPA
posted2022/01/25 17:10
W杯出場に向けて正念場となるホーム2連戦で、森保一監督は招集メンバーに大きな変化を加えなかった。その意図を中村憲剛氏が解説する
一方、攻撃陣では三笘薫が不在です。代表デビュー戦となった昨年11月のオマーン戦では、後半開始から出場してファーストプレーで長い距離のドリブルを試み、ファウルを獲得したことで試合の流れをガラリと変えました。その後は所属クラブでも試合に出続けていたので、個人的にも楽しみにしていたのですが、残念ながらケガで招集が叶いませんでした。
これまでの選手起用から判断すれば、4-3-3の左ウイングは南野拓実になるでしょう。気になるのはオプションです。原口元気や浅野拓磨を起用するのか。それとも、堂安律や久保建英を左サイドへ回すのか。変化をつけるオプションに注目しています。
所属クラブでのパフォーマンスを見ると、久保は状態が良さそうです。試合展開や状況によっては彼をトップ下に置く4-2-3-1や4-2-1-3へのシステムチェンジがあるかもしれません。
南野、浅野、久保らは、所属クラブでゴールを決めています。前田大然もデビュー戦でいきなり得点をあげました。クラブでのパフォーマンスをそのまま代表へ持ち込み、チームに勢いをもたらしてほしいですね。
奥川、伊藤、旗手らが招集されなかった理由とは
今回のメンバーについては、「いつもどおり」といった声が聞こえてきます。直前に国内組のキャンプが行なわれたにも関わらず、海外組が多く選ばれたことで、変化に乏しい印象が生まれたのかもしれません。
個人的な見解を示せば、この時期の試合で海外組が多く招集されるのは、ある程度仕方がないことかなと思います。
国内組は1カ月以上のオフが明けて自主トレを挟み、今月17日から5日間の合宿に臨みました。しかし、1月21日のウズベキスタン戦が中止になったことで、実戦を経ずに最終予選に臨まなければならなくなりました。
シーズンインまでの準備は、キャンプを経て練習試合を3つ、4つ消化して開幕というのが一般的です。ウズベキスタン戦を消化できていたとしても、国内組は通常より駆け足のスケジュールになります。試合勘やコンディションなどを考えれば、昨年からシーズンが続いていて、ウインターブレイクが挟まったとはいえ数試合を消化している海外組が多くなるのは、必然と言っていいと思います。
またメディアのみなさんの反応を見ると、現在クラブでレギュラーとして出場し、評価を得ている奥川雅也や伊藤洋輝といった選手の招集が予想されたようです。僕自身も、日本代表でプレーする彼らを見てみたいと思っています。