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奥川雅也、伊藤洋輝、旗手怜央はなぜ招集外だったのか? 中村憲剛が森保監督の選考理由を解説《吉田・冨安の代役CBも予想》
posted2022/01/25 17:10
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph by
JMPA
変化のないメンバー選考には、はっきりとした理由がある。
カタールW杯アジア最終予選の重要な局面となる1月27日の中国戦、2月1日のサウジアラビア戦に臨むメンバーは、16人の海外組と7人の国内組で構成される。直前にキャンプを行なった国内組、結果を残している海外組からの抜擢はほぼなかった。
森保一監督の選考について、元日本代表MF中村憲剛氏に話を聞く。最終予選を勝ち抜いてW杯に出場した経験者は、指揮官の狙いを解き明かしてくれた。さらに、緊急事態が発生したCBについても触れてもらう。
◆◆◆
22日のメンバー発表翌日に、恐れていたことが起きてしまいました。ケガで招集外だった吉田麻也に続いて、冨安健洋もケガで不参加となったのです。レギュラーのCBふたりを同時に欠く。これは紛れもない緊急事態です。
CBの候補では谷口彰悟、板倉滉、植田直通の3人が選ばれていて、冨安に代わって中谷進之介が追加招集されました。吉田ひとりの欠場ならば、冨安とコンビを組むのは谷口か板倉のどちらかと予想していました。冨安も不在ということで選手起用は読みにくくなりましたが、先発には谷口と板倉を予想します。
吉田と冨安の不在を嘆いても仕方がない
谷口は昨年11月に続いての選出で、それ以前も招集されCBで出場しています。板倉は東京五輪にCBとして出場し、今シーズンは所属先のシャルケで実戦を積んでいます。
11月の2試合に招集されなかった植田は、冨安が不在だった昨年9月のオマーン戦に先発しました。最終予選の経験を持っているわけです。合流後の練習でパフォーマンスを示せば、先発に選ばれてもおかしくありません。
中谷は直前の国内合宿で、しっかりとしたパフォーマンスを見せたからこその招集でしょう。その合宿でコンビを組んだ谷口と、同時に出場する可能性はあると思います。
CBというポジションは、チームの守備戦術における根幹の部分であり、頻繁に変えるわけにはいきません。そういう意味でCBのバックアッパーは、なかなか出場の機会がありません。どちらかひとりならまだしも、日本の堅守を支えてきた2人が同時にいなくなるシチュエーションは予想しにくかったですし、非常に難しい局面です。
ここは誰がピッチに立つとしても、存在感を示すことでチームの勝利につなげてほしい。吉田と冨安の不在を嘆いても仕方がないですし、チーム内にもそういった空気感はないでしょう。
代わって出場する選手には「自分がCBとして守備を統率し、しっかり守る」という気概あるプレーを期待します。日本代表はこれまでも、そうやって各ポジションで新陳代謝をしてきた歴史があるので、今回もそのきっかけになればと思います。