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5発快勝発進のマンUに漂う“ポジティブな危機感”…約357億円の支援も決定し、9シーズンぶりの覇権奪還は夢物語ではない 

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粕谷秀樹

粕谷秀樹Hideki Kasuya

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posted2021/08/21 17:01

5発快勝発進のマンUに漂う“ポジティブな危機感”…約357億円の支援も決定し、9シーズンぶりの覇権奪還は夢物語ではない<Number Web> photograph by Getty Images

リーズ相手に5ゴールを奪い、最高のスタートを切ったマンチェスター・U。積極補強を敢行し、各ポジションで熾烈な競争が生まれている

 数少ない懸念材料は右サイドバックだ。現時点でアーロン・ワン・ビサカが一番手、バックアッパーはポルトから加入後4年目を迎えても未知数のディオゴ・ダロトだ。CBとしては4番手ながら、対人プレーに強いエリック・バイリーに保険を掛けるべきだろうか。

 ス―ルシャール監督が熱望するキーラン・トリッピアー(アトレティコ・マドリー)の移籍金は、驚きの3000万ポンド(約45億6000万円)だ。9月に31歳を迎えるDFとしては高すぎる。

総額3億2500万ドルもの支援を受けることが決定

 もうひとつの好材料は『TeamViewer』(ドイツの通信産業)とのスポンサー契約である。今シーズンから5年間、総額3億2500万ドル(約357億5000万円)もの支援を受けることが決定している。今後の移籍市場で大きなアドバンテージを握るに違いない。

 なぜならレアル・マドリーは『エミレーツ航空』、バルセロナは『楽天』、パリ・サンジェルマンは『ACCOR』(フランスの大手ホテルチェーン)との契約が、いずれも今シーズンで満了するからだ。コロナ禍では大企業との大型契約は難しく、この3チームが『TeamViewer』に匹敵するスポンサーを見つけ出すとは考えにくい。

 事実、今夏のマドリーは補強が遅々として進まず、バルセロナの財政は火の車だ。また、一見すると大型補強のパリSGも、リオネル・メッシとセルヒオ・ラモス、さらにジョルジニオ・ワイナルドゥムとジャンルイジ・ドンナルンマは、すべて移籍金の発生しないフリートランスファーである。経済的にかなり苦しい。

「補強に関してはド素人」

 ユナイテッドのエドワード・ウッドワード副会長は各方面で批判され、かくいう筆者も移籍市場の動きに関しては数多くのダメ出しを続けてきたが、スポンサー契約の手腕だけは長けている。

「許せ、ウッドワード。あなたを見くびりすぎていた」

 上層部が大型契約を勝ち取り、現場では競争意識が芽生えている。いま、ユナイテッドのムードはすこぶる良い。マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督、リバプールのユルゲン・クロップ監督に比べると、カリスマ性でもゲームプランの構成力でも劣るスールシャール監督に一抹の不安は隠せないものの、手駒は整えられつつある。

 2012-13シーズン以来の覇権奪還は、決して夢物語ではない。

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