U-24田中碧が流れを変えても「得点ゼロ」で日本代表に完敗…ガーナ戦で注目すべき“前線の核は誰になるか”問題

　思いがけず生まれた兄弟対決は、予想どおりであり、物足りなくもあった。

　6月3日の札幌ドームで、日本代表対U-24日本代表の対戦が実現した。ジャマイカ代表の一部選手が決められた期日までに来日できず、試合を成立させられないことによる代替案だったが、率直に言ってジャマイカ代表戦より興味深い試合となった。

前半は完全に「日本代表のもの」だった

　格上のチームを悩ませる陥穽は、力の差をスコアに反映できずに時間が経過し、対戦相手に希望を与えてしまうことだ。しかし、開始わずか2分に橋本拳人がゴールを奪ったことで、森保一監督が率いる日本代表はいきなり重圧から解放される。

　早々にリードを奪ったことで、日本代表は5月28日のミャンマー戦のように試合を進めていく。吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航はU-24日本代表にオーバーエイジ（OA）として参加し、東京五輪世代の冨安健洋も不在だったが、大迫勇也、南野拓実、鎌田大地、原口元気、守田英正、長友佑都らの主力選手が、余裕を感じさせながら違いを見せつけ、なおかつスキを与えない。先発のチャンスを得た橋本と室屋成も、意欲が空回りすることはなく、自らの特長を発揮していく。吉田と冨安に代わって最終ライン中央でコンビを組んだ谷口彰悟と植田直通も、不安を感じさせなかった。

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　2点目が生まれたのは41分で、ゴールラッシュとはならなかったものの、前半は完全に日本代表のものだったと言っていい。

U-24は「OA&冨安・三笘・堂安スタメン起用せず」

　ひるがえってU-24日本代表である。2日後にU-24ガーナ代表との対戦を控えていることもあり、横内昭展監督はOAをスタメンで起用せず、冨安も堂安律も三笘薫もベンチに置いた。先発した久保建英も、前半だけで退いている。東京五輪で対戦する南アフリカを想定したシミュレーションを、指揮官は優先したのだった。

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