先発にはレギュラー格の選手も名を連ねていたが、日本代表に比べると控え選手が多い印象だった。試合後の横内監督は、「試合に慣れるまでに時間がかかってしまい、少し後手を踏んでしまった感じがある。日本代表に関わった選手もいるのでクオリティを持っている選手はいるが、今日のような強度のなかでプレーするのは日本代表の選手のほうが経験で優る部分がある」と話した。日本代表が「ベスト（メンバー）ということを考えて臨んだ」（森保監督）前半は、東京五輪のメンバー入りへアピールした選手は見当たらなかった。

　4-2-3-1のトップ下で先発した久保も、ワンタッチでシンプルにつないだり、自ら仕掛けたりしていたが、もう少しいいタイミングといい角度でのサポートが欲しかっただろう。この試合の翌日に20歳の誕生日を迎えるレフティーも、日本代表選手にダブルチームで対応されたら、決定的な仕事をするのは難しい。

久保はスタメンで出場したが、厳しいマークに苦戦した　©Getty Images

　後半も日本代表がスコアを動かす。後半から左サイドバックに入った小川諒也のクロスを、同じく後半から出場の浅野拓磨が得点に結びつけた。U-24日本代表に1点差に詰め寄られるのではなく、52分の段階でリードを3点差に広げたのも、さすが日本代表と言うべきだろう。

悪い流れを変えたのは……

　ピッチ上の構図が変わっていくのは、後半20分を過ぎたあたりである。U-24日本代表が、敵陣でプレーする時間を伸ばしていくのだ。日本代表の主力がベンチに下がったことが変化の理由にあげられるが、後半からダブルボランチの一角に入った田中碧の影響力にも触れるべきだ。狭いスペースでもボールを受け、タテへ通し、サイドへ散らす。背番号17がボールに触ることで攻撃にリズムが生まれ、テンポが上がっていった。

ダブルボランチの一角に入った田中碧から攻撃のリズムが生まれ始めた　©Getty Images

　78分には遠藤航が投入される。28歳のOAが入ってきたことで、中盤でのボールの動きがさらにスムーズになる。田中碧と遠藤のダブルボランチがもたらした効果は、右サイドバックの菅原由勢のプレーが分かりやすい。前半はなかなか前線へ飛び出せなかったが、後半途中からは際どいクロスを供給できるようになったのだ。

　しかし、U-24日本代表は得点をあげることはできなかった。

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