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【センバツ】大谷翔平vs藤浪晋太郎、真壁の肩を支えたダルビッシュ、大阪桐蔭“伏兵”の一発…春の名勝負ベスト5 

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西尾典文

西尾典文Norifumi Nishio

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posted2021/03/18 06:00

【センバツ】大谷翔平vs藤浪晋太郎、真壁の肩を支えたダルビッシュ、大阪桐蔭“伏兵”の一発…春の名勝負ベスト5<Number Web> photograph by JIJI PRESS

済美にサヨナラ弾を許した真壁(18番)の肩を持つダルビッシュ。この日はレフトから仲間の好投を見守っていた

150キロ超&190cm超、どっちがすごい?

◆第84回大会(2012年)1回戦
大阪桐蔭 9-2 花巻東

 過去10年の中で、試合前から最も盛り上がりを見せたカードと言えば、この試合になるだろう。大阪桐蔭の藤浪晋太郎(阪神)、花巻東の大谷翔平(エンゼルス)という互いに最速150キロを超える、なおかつ190cmオーバーの大型投手の投げ合いに注目が集まった。そんな期待を煽るように、いきなり1回戦の舞台で激突。高校野球ファンの視線は甲子園にくぎ付けになった。

 試合は2回裏、先頭打者の大谷が藤浪からライトスタンドへホームランを放ち、いきなり大観衆を沸かせると、4回には再び先頭打者の大谷が四球で出塁し、7番・田中大樹のタイムリーで花巻東が1点を追加。大谷は投げても5回まで大阪桐蔭をわずか2安打に抑え込み、優位に試合を進めた。

 しかし、グラウンド整備後の6回表、大阪桐蔭打線が繋がり一気に3点を奪い逆転。終盤は疲れの見えた大谷を完全に攻略し、最終的には7点差という大差で注目の対戦を制した。

 藤浪は結局2失点、12奪三振で完投。この試合が“春夏連覇”へのスタートとなった。一方敗れた大谷も、8回2/3を自責点5で降板となったが、大阪桐蔭の強力打線を相手に11三振を奪い、改めてその能力の高さを見せつけた試合となった。

大阪対決に決着をつけたのは…

◆第89回大会(2017年)決勝
大阪桐蔭 8-3 履正社

 まだ記憶に新しい“大阪対決”もピックアップしたい。

 試合は当時2年の藤原恭大(ロッテ)が先頭打者アーチを含む2本、さらには坂之下晴人が2回にソロホームランを放つなど、大阪桐蔭が優勢。投げては、先発の徳山壮磨(早稲田大)が7回まで被安打わずか2と快調な投球を見せていた。

 3点をリードした大阪桐蔭がそのまま逃げ切るかと思われたが、履正社も意地を見せる。8回裏に安田尚憲(ロッテ)らクリーンアップの3連打で一気に同点に追いついた。しかし、終盤に一気にヒートアップした試合を決めたのは、意外にも“伏兵”のひと振りだった。

 1アウト二塁から、ピッチャー徳山の代打で出場した背番号18の控え捕手・西島一波が値千金の決勝のツーラン。西島は乱打戦となった2回戦(静岡高戦、11-8)でも代打で決勝の三塁打を放っていたラッキーボーイだった。この年の大阪桐蔭は藤原のほか、根尾昂(中日)、中川卓也(早稲田大)、山田健太(立教大)など入学時から逸材と評判の2年生が多かったが、突然の代打にも力を発揮できる選手が控えにいる層の厚さを改めて示した決勝戦だった。

◇◇◇

 今大会も1回戦から明徳義塾vs.仙台育英、東海大相模vs.東海大甲府、福岡大大濠vs.大崎、市和歌山vs.県岐阜商、智弁学園vs.大阪桐蔭、常総学院vs.敦賀気比など好カードが多い印象を受ける。令和初となるセンバツの舞台で、新時代の訪れを飾るに相応しい熱戦が繰り広げられることを期待したい。

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