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【センバツ】大阪桐蔭が春に負けた“6校”の共通点…16年はドラ1早川隆久が攻略、カギは技巧派サウスポー?

posted2021/03/16 11:02

 
【センバツ】大阪桐蔭が春に負けた“6校”の共通点…16年はドラ1早川隆久が攻略、カギは技巧派サウスポー?<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

西谷監督の復帰以降、春夏の甲子園で一度も初戦敗退がない大阪桐蔭。強豪校がひしめくブロックに入ったが、今大会も優勝候補筆頭だ

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西尾典文

西尾典文Norifumi Nishio

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Hideki Sugiyama

 今月19日に開幕する選抜高校野球。今大会は過去にセンバツ優勝経験のある学校が8校(常総学院、東海大相模、中京大中京、県岐阜商、智弁学園、大阪桐蔭、天理、敦賀気比)出場しているが、総合力で頭ひとつリードしていると見られているのが大阪桐蔭だ。

 松浦慶斗、関戸康介という最速150キロを超えるスピードを誇る左右の投手に加え、野手にも力のある選手を多くそろえている。2017年、18年には春連覇を達成しているが、その時のチームと比べても大きく引けをとらない印象だ。

 しかし当然のことながら大阪桐蔭も無敵の存在ではない。他のチームにも必ず付け入る隙はあるはずだ。そこで今回は、大阪桐蔭が喫した選抜大会での敗戦を振り返りながら、王者が敗れる時の傾向を探ってみたいと思う。

大阪桐蔭がセンバツで敗れた6校

 西谷浩一監督が再就任した2002年秋以降、9度のセンバツ(うち3度の優勝)で敗れたケースは以下の6試合となっている。

2004年2回戦 東北(宮城) 2-3
※プロ入りした主な大阪桐蔭の選手(以下同)/平田良介(2年)、辻内崇伸(2年)
2007年準々決勝 常葉菊川(静岡) 1-2 
中田翔、岡田雅利、浅村栄斗(2年)
2010年2回戦 大垣日大(岐阜) 2-6
江村直也、西田直斗(2年)、山足達也(2年)
2013年3回戦 県岐阜商(岐阜) 4-5
森友哉、中村和希、香月一也(2年)、正隨優弥(2年)
2015年準決勝 敦賀気比(福井) 0-11
青柳昴樹、福田光輝、高山優希(2年)
2016年2回戦 木更津総合(千葉) 1-4
高山優希

 この戦績を見ると、13年の県岐阜商との試合は森が欠場しながらも4点を奪っているが、それ以外の5試合は全て2点以内に抑えられていることが分かる。

 それぞれの試合でその登板した投手を調べると、上からダルビッシュ有(東北・現パドレス)、田中健二朗(常葉菊川・現DeNA)、葛西侑也(大垣日大・元新日鉄住金東海REX)、藤田凌司(県岐阜商・現三菱自動車岡崎)、平沼翔太(敦賀気比・現日本ハム)、早川隆久(木更津総合・現楽天)という顔ぶれとなっており、6人中4人がプロ入りを果たしている好投手だった。

 そして6人に共通した特徴なのが、ストレートでどんどん押すタイプというよりも、変化球やコントロールに持ち味がある投手であったことだ。

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大阪桐蔭高校
西谷浩一
ダルビッシュ有
田中健二朗
葛西侑也
藤田凌司
平沼翔太
早川隆久
広島新庄高校
県岐阜商業高校
東海大菅生高校

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