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女子スケボーは五輪メダル確実!?
なぜ日本人選手はここまで強いのか。
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![吉田佳央](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/d/9/-/img_d9b739074988baca62acbe78e56aaa0711004.jpg)
吉田佳央Yoshio Yoshida
photograph byYoshio Yoshida
posted2020/01/31 11:30
![女子スケボーは五輪メダル確実!?なぜ日本人選手はここまで強いのか。<Number Web> photograph by Yoshio Yoshida](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/7/6/700/img_768f3cd0db97f8a8a3d45d78b18d110b150437.jpg)
昨秋から岡本碧優がルーティーンに取り入れた“キックフリップインディー”。五輪本番で金メダルを獲得するにはさらなる難易度のトリック習得が不可欠だ。
今年は女子も540がスタンダードに!?
現在は11月に「STUオープン」が開催されて以降、オリンピックポイントが加算されるコンテストは開催されておらず、いわばシーズンオフの期間に当たる。だからこそ現在が最も大切な時期だと笹岡は続けざまに語る。
「去年の碧優は540を武器に圧倒的な強さを見せました。自分もそこを軸にしつつも新たなトリックとして“キックフリップインディー(空中でスケートボードを縦に一回転させて、それを後ろ側の手でお腹側から掴むトリック)”を交えていけば、トップを狙えるだろうと考えていました。
そこは大方予想通りだったんですけど、ひとつだけ誤算があったんです。それはオリンピックポイントが加算されるコンテストのシーズンが延長されたことです。それによってどういうことが起こるのかというと、他のライダーも逆転で出場権の獲得を狙いに来ると同時に、碧優をターゲットに練習してくるということです。
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具体的にいうと、540をメイクすれば追いつけると思って皆がやりだしてくるはずです。なので5月の世界選手権では540を出してくるのは碧優だけではないでしょう。それにキックフリップインディーにしても、去年の時点でスカイ・ブラウンがすでに練習では成功させているので、今年は本番でも出してくると思います。レベルは去年より絶対に高くなります。そうなると碧優はもとより、今は総じて順位が高い日本勢も決して安泰とは言えません」
確かに他のスポーツを見ても、突出した存在が現れることによって競技全体のレベルが上がるということはよくある。今までは男子に比べレベルの上がり方がなだらかだった女子も、岡本碧優が出てきたことにより急速にレベルアップしているようだ。
シーズン再開の、これからが本当の勝負!
「碧優は今暫定トップに立っていて追われる身になりました。今まではさくらや貴咲に勝ちたいとやってきましたが、最近では『女子のシーンを見るな』『男子の滑りの見てそこに近づくように練習しろ』と指導しています。他の女子がどう取り組んでいるかはわかりませんが、間違いなく競技全体のレベルは上がっているので、そのさらに上を行くトリックの習得を目指しているところです。どういう滑りをするのかは、コンテストシーズン再開を楽しみにしていてください。
ただ碧優は練習するにしても、男子でトップに立つ建介が身近にいてよく一緒に練習しています。なので世界ランキングで1位になっても、その先の目標が明確に定まっています。日々切磋琢磨できる環境が整っているのは大きなプラスになっていると思ってください」