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女子スケボーは五輪メダル確実!?
なぜ日本人選手はここまで強いのか。
text by
吉田佳央Yoshio Yoshida
photograph byYoshio Yoshida
posted2020/01/31 11:30
昨秋から岡本碧優がルーティーンに取り入れた“キックフリップインディー”。五輪本番で金メダルを獲得するにはさらなる難易度のトリック習得が不可欠だ。
順位がひっくり返る可能性もまだ高いが。
ただし現在は2シーズンにわたって行われるオリンピック出場ポイントが獲得できるコンテストのシーズン2の初戦を終えただけであり、オリンピック出場を争うコンテストは3月16日の「WS Lima Open」から再開し、5月26日からの「Park World Championships」までパーク種目はまだ4戦が残されている。そこで順位がひっくり返ることも十分に考えられるため、あくまでも暫定的な順位ではあるが、それでも女子パークにおける日本勢の強さがはっきりと見て取れる。
ではなぜ女子のパークは世界を舞台にしてもここまで強いのか?
ここではその理由に迫っていきたい。
女子なら世界が獲れると思った。
「これは自分が2017年に日本のトップライダーである(笹岡)建介のサポート役として『Vans Park Series』(世界最高峰の大会のひとつ)に足を運んだ時に感じたことなんですけど、正直に言って男子は日本とアメリカで大きなレベルの差を感じたんですが、それに対して女子はまだまだ世界が目指せるところにあるなと思ったんです。男子とはあからさまにレベルが違いました。
当時は(中村)貴咲が『X GAMES』で優勝したり、自分が一時期教えていた(四十住)さくらも世界で活躍するようになってきた頃で、彼女たちを昔から見ている自分から見たら、女子ならばこれから本気で頑張れば、他のライダーでもまだまだ世界が獲れるレベルなんじゃないかと思ったんです」
そう話すのは、前述した笹岡建介の実の兄であり、現世界女王の岡本碧優のコーチを務める笹岡拳道だ。
もちろん本人も国内トップレベルの選手として活躍した経歴を持つプロフェッショナル。女子の世界トップを見てきた彼には世界で勝つための具体的なプランが見えていたようだ。
「ちょうど自分が女子の世界レベルを見てきたタイミングで(岡本)碧優が世界で戦えるライダーになりたいと言ってきたんです。自分も彼女には可能性を感じていたし、世界で勝つために本気で取り組んだんですよね。
どうしたかというと、2018年の『X GAMES』では“540°(ファイブフォーティ/空中で体を540度回転させるトリック。以下540)”回ってたのは1人だけでエアーもそこまで高くなかったので、トリック1つひとつのクオリティをあげて540をやれば世界の一番上を狙えると思ったんです。それを2019年の『DEW TOUR』からコンテストで出すようにしたんですよ。」
その後の彼女の活躍はご存知の通り。様々な媒体が金メダルに最も近いとまで報じる存在にまで上り詰めた。しかし、世界で活躍している女子パークのライダーは彼女以外にも多くいる。
パークは世界最高峰のコンテストである「Vans Park Series」ですら始まったのが2016年からと、競技ジャンルとしての歴史が浅い。競技人口から言ってもストリート以上に男社会の色が濃い世界であるとはいえ……どうもシーンの規模や成熟度だけで女子の活躍を片付けるには説得力に欠ける部分もある。