甲子園の風BACK NUMBER
独自の応援スタイル確立を!
平成最後のセンバツで見えたこと。
posted2019/04/04 17:30
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph by
Yukiko Umetsu
平成最後のセンバツは“平成元年”の覇者でもある東邦(愛知)が習志野(千葉)に6-0で勝利し、史上最多となる5回目の優勝を果たして幕を閉じた。
東邦は、応援を担当するマーチングバンド部の海外遠征が重なったことから、吹奏楽コンクール全国大会常連の大阪桐蔭吹奏楽部が友情応援を担当。決勝戦で戦った習志野の吹奏楽部も同大会の常連校というハイレベルな応援対決も大きな話題となるなど、聴きどころ十分の大会となった。
開会式から閉会式まで連日アルプススタンドで取材を続け、全出場校の応援を聴いた吹奏楽部出身の筆者が、印象に残った応援を紹介したい。
“金足ブーム”は春も健在?
個人的にツボだったのは、明豊(大分)の『となりのトトロ』。成田武蔵選手の応援曲で、野球部がメガホンを片手に「むっさし むっさーし むっさし むっさーし チャンスの時にだけ むさしに訪れる 不思議なむさし」と歌う替え歌がなんともいえない味わいがあり、準々決勝で対戦した龍谷大平安アルプスからも、「なごむ」という声が聞こえてきた。
今大会で目立ったのが、チャンステーマに読売ジャイアンツの応援曲『Gフレア』を使う学校が増えたこと。昨年夏、秋田県勢として103年ぶりに準優勝を果たした金足農業(秋田)がチャンステーマとして使っており、テレビ中継で見ていた野球部からのリクエストによるもので、3校が使用。
熊本西(熊本)の野球部員は、「同じ公立高校として、あんな風になりたいと思って応援に取り入れました」と話し、「曲の冒頭はしゃがんでpp(ピアニッシモ)で演奏、途中から立ち上がり、fff(フォルティッシシモ)で演奏する」という演出までまったく同じ。それだけ、金足農業の応援が驚異的で印象に残ったのであろう。