マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
センバツの裏で九州の逸材を発見。
熊本には11球団のスカウトが集結!?
posted2019/04/04 07:00
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Hideki Sugiyama
センバツ28日の第3試合、星稜と習志野の試合を終盤まで見て、そこから「九州」にやって来た。
例年センバツが終われば、高校野球は「春の県大会」になるのが、九州だけはひと足早く、センバツとほぼ並行して各県で春の大会がスタートする。
センバツをひと回り取材してから九州の県大会に移動してくるのも、私にとっては、例年のことになっている。
センバツ甲子園の歓声を背中で聞きながら阪神電車の駅に向かうのは、なんともさみしいものだが、「春の九州は、行けば必ずいいことがある所だから……」、そんな思いでまぎらわしながら、西に向かう。
久留米に「とんでもなく上手い遊撃手」。
センバツにも、もちろん興味深い逸材が何人も出場していたが、この時期の九州の高校野球も実に楽しみが多い。
アッと驚くような選手が、あっちにもこっちにも。「野球」そのものはまだ粗くても、この夏、来年の今ごろ、3年後、5年後、いったいどんな選手に変身しているのか、想像するだけでも胸が躍る。そんな無名の大器の卵に何人も行き当たるのだ。
毎年のそうした現象について「春の野っぱらにつくしんぼがニョキニョキ……」そんな表現を過去に使ったら、言い当ててますね、と九州担当のスカウトの方にほめていただいたこともあった。
そこで、今年の九州だ。
29日は、久留米で福岡県大会だ。ここに、とんでもなく上手い遊撃手がいた。
西日本短大付高・近藤大樹(3年・170cm68Kg・右投右打)、実は彼のことは、去年から見て知っていた。
上手いショートと言っても、いろいろなタイプがあろう。動きのスピード、三遊間からの鉄砲肩、華麗な身のこなし……近藤遊撃手の場合は、「井端弘和(元・中日)タイプ」だと思っている。