甲子園の風BACK NUMBER
独自の応援スタイル確立を!
平成最後のセンバツで見えたこと。
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph byYukiko Umetsu
posted2019/04/04 17:30
地元色を前面に出した春日部共栄の応援席。生徒たちがかぶっていた麦わら帽子は春日部市の特産品だ。
「オリジナル」の使用の是非。
林氏は「気に入っていただけるのはもちろん悪い気はしませんが」と前置きした上でこう語る。
「本校のオリジナル曲ということを大切にしたい。自分たちでオリジナル曲を作るということにチャレンジしてみてはいかがでしょうか」
これには筆者もまったく同感であった。これまでの大会を振り返っても、野球部から同曲をリクエストされた吹奏楽部顧問の中には、この曲が龍谷大平安の曲ということを知らない先生もいる。野球部員は「カッコいい曲なので自分たちの応援に使いたい」と思い、吹奏楽部の顧問も、「野球部に頼まれたから演奏してあげている」というケースが大半だ。
しかし、何でもリクエストに応えてあげるのではなく、聴いたことのない曲目を頼まれた場合、まずは「この曲は何の曲なのか」「どこかの学校の曲なのか」ということまで、野球部に確認することはできないだろうか。
OB炭谷からの申し入れも。
そして、他校のオリジナル曲だった場合は、本家をリスペクトし、「学校側に一報を入れて、使っていいかどうかを確認する」という当然のマナーがぜひ浸透してほしいと思う。
喜んで使わせてくれて、楽譜を送ってくれる学校もあれば、「うちのオリジナルなのですみません」と断られることもある。学校によって、考え方はさまざまだ。
ちなみに、龍谷大平安野球部OBで、読売ジャイアンツの炭谷銀仁朗選手が西武ライオンズ時代、球団側から「打席に立つ際に『怪しい曲』を使用したい」と学校に連絡があったというが、「光栄な話ですが、あくまでも本校のオリジナル曲なので」と、この申し入れも断っている。