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「いろんなラグビーができた方がええよ」堀江翔太が語る“理想のラグビー選手”とは? お腹いっぱい発言も「エディーさんのやること興味ある」
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生島淳Jun Ikushima
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/09/08 11:12
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ラグビーから離れ、自由気ままに時間を過ごしていると明かした堀江翔太(38歳)
堀江の現役生活はラグビーの聖地、トゥイッケナムで幕を下ろしたことになる。
振り返ってみると、彼の現役生活はそのまま日本ラグビーの激動期と重なる。
「国内のレベルがめっちゃ上がりましたよね。組織の戦略もそう、個人の能力もそう。日本人もそうですし、海外のトップレベルの選手が日本でプレーするようになりましたからね。あと、お酒飲まなくなりました(笑)」
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昔は試合が終わったら、みんなで飲みに繰り出すことがフツーだった。
「試合が翌週に控えてるじゃないですか。リカバリーに影響するとか考えちゃうんですよね。あと、僕はもう38歳とかで40に近いから、若い選手たちとは歳が離れすぎて、一緒に飲みにいけないです(笑)。若い人たちは若い人たちで飲みに行ってるかもしれないですけど、僕ら、均ちゃん(大野均/元東芝)とか、真壁(伸弥/元サントリー)のような豪快な飲み方する人はいないかもしれないですね」
ラグビーはおなかいっぱい、と言っていたので、現役を退いたいま、少しは距離を取っているのかと思いきや、日本代表の試合も気になるという。
「意外かもしれませんけど、僕はかなりの日本代表贔屓なんで(笑)。エディー(・ジョーンズ)さんがヘッドコーチに戻って、どんなことをやろうとしているのか、興味ありますね」
自らが体現した「理想の選手」
引退後はワイルドナイツのアンバサダーとしてチームには携わりつつ、トレーナーとして堀江を支えた佐藤義人氏のメソッドを、日本で広める努力をしていきたいと話す。
「佐藤さんと出会ってなかったら、38歳まで現役続けられなかったですからね。しかも、去年のW杯ではコンディションも良かったですから。佐藤さんのところには、バスケットボールの竹内譲次さんや、大相撲の炎鵬君が来てたりして、横のつながりが広くなってるのが楽しいです。僕としては、いろいろな競技の選手にもメソッドを紹介できたらと思ってます。
たとえば、バスケとラグビーの動きって結構似てるらしくて、トレーニング内容も近いらしいんですよ。そういうところから入っていきつつ、若い世代の人たちにもメソッドを広められたらいいなと思ってます」
引き出しの豊富さ。それが堀江翔太という選手のストロングポイントだったと思う。堀江は、若手に対して「いろんなラグビーができた方がええよ」と伝えているという。
「僕の理想とするラグビーの選手って、どんなスタイルのラグビーでも対応できる選手なんです。僕はそのチームの監督が理想とするラグビー選手になるのがいちばん素晴らしいと思ってます。だから、監督が交代したとしても、試合に出続けられるのがいちばんいいと思ってるんですよ」
本人はまったく意識していないけれど、堀江翔太はそれを体現した人だった。
(全3回/第1回からつづく)
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