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[引退記念ロングインタビュー]長谷部誠「信頼に応えるため、自分の形を変えてきた」
posted2024/06/13 09:01
text by

木崎伸也Shinya Kizaki
photograph by
Takuya Sugiyama
心と身体を極限まで研ぎ澄ませた先に待っていたのは、日本とドイツ、両国の人たちから、そのキャプテンシーとプロフェッショナリズムを祝福されるという、日本人選手が到達したことがない景色だった。
2024年5月18日、フランクフルト対RBライプツィヒ戦のラスト3分、長谷部誠はボランチとしてピッチに立ち、22年間のプロサッカー選手としてのキャリアを完結させた。
通常、引退後にあるのはマラソンを走り抜いたあとのように、精神的にも肉体的にも消耗した姿だ。「お疲れ様でした」と声をかけるのが一般的だろう。
だが、長谷部にはそれが当てはまらないように思う。不純物を取り除くために己を叩き、鍛錬を繰り返す――40歳の最後まで輝いた姿は、日本刀の名刀をつくりあげる工程を連想させる。「見事でした」という言葉がふさわしい。
なぜ長谷部は国を超えた唯一無二のキャプテンになれたのだろう?
引退会見から3日後の5月27日、文藝春秋社内で約2時間にわたって話を聞いた。
――まずは時計の針を'10年5月に巻き戻させてください。日本代表の岡田武史監督は不調に陥ったチームをテコ入れするために、26歳の長谷部誠をゲームキャプテンに抜擢しました。当時、何に一番エネルギーを使いましたか。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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