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南三陸で続く長谷部誠の「今」。~復興支援の10年後~

posted2021/05/14 07:00

 
南三陸で続く長谷部誠の「今」。~復興支援の10年後~<Number Web> photograph by Asami Enomoto

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忠鉢信一(朝日新聞記者)

忠鉢信一(朝日新聞記者)Shinichi Chubachi

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Asami Enomoto

東日本大震災で全壊した幼稚園に、ユニセフの縁で自著の印税を寄付した長谷部。彼は、再建後も年に1度、子どもたちの元へ足を運び、支援のあり方を考え続けてきた。10年たった春、南三陸町を訪ね、園の先生たちに話を聞いた。

 長谷部誠が通い続ける場所がある。

 宮城県南三陸町のあさひ幼稚園。2011年3月11日の東日本大震災で、元の園舎は津波にのみ込まれた。

 長谷部は、その5日後に発売となった自身初の著書『心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣』の印税の全額1億円余りを日本ユニセフ協会へ寄付し、あさひ幼稚園の園舎の再建にあてた。その年の12月から、昨年のコロナ禍での中断まで毎年、南三陸町を訪れて、あさひ幼稚園との交流を続けている。

 長谷部はこのことについてこれまで、多くを語ろうとしなかった。今年2月、被災地の10年をテーマにしたインタビューが実現したとき、その理由も話してくれた。

「こういう活動をすることで、周りの人からどういう目で見られるかを考えて、わざわざ公表しなくていいとも思っていた。ただドイツに来て、多くのサッカー選手が自分の影響力を使って大きな輪を作るのを見て、すばらしいと思った。みんながどう思うかではなくて、困っている人、厳しい環境にいる人を助けるために、多くの人を巻き込んで、一緒に行動することは意義があると思うようになった」

「毎年、被災地に足を運んできたのは、もちろん自分が行きたいとか、訪れたいという気持ちが一番強いのだけれど、本を買ってくださった方や周りの人たちを巻き込んでいるからには、自分が行動することに意義がある。支援しましょうという発信はSNSでもできる。現場に足を運ぶのは時間がかかる。プロサッカー選手のオフの時間は限られている。それでも行動してみせることが大事。人間ってどうしても忘れてしまう生き物で、僕が行動を続けることで、周りの人たちを刺激できるといいと思う」

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