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三笘薫を追いかける存在に…“代表10戦8発”中村敬斗23歳の決定力だけではない進化とは?「フランスで1対1を…」「縦突破してクロスは絶対必要」
posted2024/06/13 17:01
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
JIJI PRESS
2024年6月に行なわれた2試合は、のちに「新たな才能が目覚めたタイミング」と位置づけられるかもしれない。
6月6日にミャンマーと、同11日にシリアと対戦した26年北中米W杯アジア2次予選で、日本代表の森保一監督は3-4-2-1のシステムを採用した。すでに首位での最終予選進出を決めていたこともあり、2試合連続で3バックにトライしたのである。
“連続先発で猛アピール”中村敬斗の手応え
それぞれのポジションでアピールが繰り広げられたが、存在感をはっきりと示したのは中村敬斗だ。4-2-3-1や4-3-3で左ウイングを定位置としてきたこの23歳は、左ウイングバックで結果を残した。ミャンマー戦で2ゴールを叩き出し、シリア戦でもきっちり得点に絡んでみせたのだ。26人が招集され、スタメンがガラリと入れ替わった今回の活動において、ミャンマー戦にフル出場した選手でシリア戦に先発したのは中村だけである。
「ミャンマー戦でフルに出たあとのシリア戦でしたけど、自分的に手応えがあったので、出たいっていう気持ちがすごく強かった。スタメンで使ってもらえて僕自身嬉しいし、監督に感謝してます」
エディオンピースウイング広島を舞台としたシリア戦では、13分に先制点をアシストした。左サイドの1対1を制して縦へ抜け出し、正確なクロスで1トップの上田綺世のヘディングシュートを導いた。
「上田選手とはクロスをあげるので中で待っていてほしい、と試合前から話していました。それが実現できて良かったです」
19分の2点目にも関わっている。自陣からのビルドアップでシリアの圧力を受けながら、相手選手の間を射抜いてセンターサークル手前の久保建英へつないだ。中村のパスからカウンターが発動され、堂安律のゴールが生まれたのである。
「ビルドアップのところで自分が少し低い位置で受けて、前で組み立てていくっていうのは練習でやっていました。 あの斜めのパスは久保選手の声がすごく聞こえて、右足で持てたので速いパス、縦パスをうまくつなげることができました」