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立浪和義を“落合博満時代の名コーチ”が語る「タツが中日ファンから嫌われているとは思わない」助っ人がまさかの亡命も…立浪政権を検証する
text by
柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph byHideki Sugiyama
posted2024/01/12 11:01
2023年ドラフト会議時の立浪和義監督(中日)
「まず、移動がラク。名古屋は日本の中心に位置し、レギュラーシーズン中は飛行機にはほとんど乗ることがない。練習してから移動することも可能だし、地方で試合があっても帰ろうと思ったら帰れることもある。体力的な負担が一番少ない球団です。それに、本拠地がバンテリンドームだから、雨による中止がないため、カレンダー通りにスケジュールを消化できる。これは大きなメリットです。
加えて、ずっとドラゴンズ一筋で応援してくれる温かいファンがいる。だから弱くてもバンテリンはいつも埋まっているじゃないですか。私が率いていた頃も、ファンが生え抜きであるタツの監督就任を待望していることは伝わってきていた。タツもそれが分かっているはず。だからメディアが報じるほど、私はタツがファンから嫌われているとは思わないですよ」
嘆かれる「得点力不足」…本当の原因か?
2022年に続き2023年も得点力不足は相変わらずで、4年連続でリーグ最少となる390得点に終わる。打率.234、71本塁打もまたセ・リーグで最下位の数字だ。
貧打にあえいだからこそ、投手陣は優勝した阪神に次ぐ2位の防御率(3.08)ながら、柳裕也、涌井秀章、小笠原慎之介、髙橋宏斗の4人はいずれも10敗以上を喫した。
結局、チームは2年連続で最下位に。これは球団の創設以来、初めてのことであった。2011年以来、日本シリーズからは12年遠ざかっていることになり、ここ10年で9回目のBクラスとなった。
やはり貧打が解決しなければ勝てないのか。そんな“通説”を覆す、驚きのデータがあった――。
〈つづく〉