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PL学園の厳しい上下関係「時代が違うのか?」立浪和義が語っていた本音…同期生の野村弘樹「タツは朝早く起きてグラウンド周りのゴミを…」
posted2024/01/11 11:02
text by
柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph by
Hideki Sugiyama
2年連続最下位から勝負の3年目を迎える中日・立浪和義監督。どうすれば逆風を追い風に変えられるのか――PL学園時代のエピソードやプロ野球関係者の証言、監督2年間の検証を通して、2024年シーズンの光明を見出してゆく。〈#3「PL学園卒業と星野仙一」/全8回の3回目〉
上下関係が厳しいPL学園の野球部には「系列」というものが存在した。
付け人となった1年生はいずれ、上級生となり、付け人を持つ身となる。代々、誰が誰に付いてきたかが「系列」であり、それが後々の語りぐさとなるのである。そして、立浪の系列にあたる先輩が、80年代後半から90年代にかけてPLでコーチを務めた清水孝悦(2024年1月1日より山口県の鴻城高校野球部の総監督に就任)だ。
「同志社大学に通っていた頃、母校のPLのグラウンドに教えに行くと、ひょっこりと1年生が挨拶に来たことがあったんです。『系列の立浪和義です。ユニフォーム洗わせていただきます』とね。その挨拶は完璧やった。さすが僕の『系列』やと思ったよ(笑)」
「PLの学び」と「現代の変化」
立浪はPLの上下関係について、2018年に行った筆者のインタビューでこう語っている。
《厳しい上下関係はPLだけでなく、どこの学校にも、どんな部活動にも少なからずあったと思うんです。行きすぎた行為は許されませんが、スポーツの厳しさの中から学ぶことはある》
時代の変化を感じるか――そう問うと、立浪は頷きながら続けた。