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松島幸太朗まだノートライだけど「4年前よりチームを助けている」大西将太郎が期待する《ラグビーW杯運命のアルゼンチン戦》理想の展開は? 

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大西将太郎

大西将太郎Shotaro Oonishi

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2023/10/07 11:02

松島幸太朗まだノートライだけど「4年前よりチームを助けている」大西将太郎が期待する《ラグビーW杯運命のアルゼンチン戦》理想の展開は?<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

アルゼンチン戦に向けて調整する松島幸太郎(30歳)。運命のアルゼンチン戦、今大会初のトライを奪えるか

 アルゼンチンは、日本が苦手とするフィジカルを前面に押し出す強豪国だ。FW陣を活かしたラグビーに、オーストラリア代表HCを務めたマイケル・チェイカHCが指揮をとったことで、もともと戦闘力に長けていたBK陣に好影響を及ぼしFWとBKがうまく連動し始めた。キックも抜群にうまい。

 2019年W杯でアルゼンチンは予選プール敗退を喫したことで印象が薄いかもしれないが、2007年、2015年は4強入りとW杯での実力を証明済み。日本とは強化の過程で何度か対戦しており、W杯では1999年大会でも対戦している。最新の対戦は2016年と古いが、実績は1勝5敗と負け越し。「過去の数字は関係ない」と割り切ったとしても、近年は南半球4カ国対抗戦に参加して定期的に強豪国とテストマッチを重ねており、急激に力をつけている。また、昨年のサッカーW杯で世界一になったことも、彼らのモチベーションを刺激しているかもしれない。

キーマンは“ほぼノーミス”の3人

 試合は相当苦しい展開になる。日本としては、サモア戦同様に先手を取ること。点差はもちろん、セットピースでもリードしたいし、ミスを誘発する賢さも必要となる。警告が多い国でもあるのでレフリーともうまくコミュニケーションを図りたい。とにかく、80分イライラさせ続け、優位に進めるマネジメントをしたい。

 キーマンは、サモア戦で15回以上タックルに行ってほぼノーミスだった6・7・8番。1列やロックでプレーするジャック・コーネルセンなどFW陣の働きぶりは素晴らしいが、特に日本の壁となっているバックローのワークレートはイングランド戦から驚異的で、尊敬に値する数字だ。しかし、アルゼンチン戦ではそれ以上の仕事が求められるといっていい。

★イングランド戦
6番 リーチ マイケル 17回
7番 ピーター・ラブスカフニ 19回
8番 姫野和樹 16回

★サモア戦
6番 リーチ マイケル 17回
7番 ピーター・ラブスカフニ 18回
8番 姫野和樹 15回

 幸い、サモア戦のフィジカルを体感したことはアルゼンチン戦にとっていいレッスンになった。敗れたイングランド戦の反省もふまえれば、いい展開になる。アルゼンチン戦は現地で解説。次稿では現地フランス・ナントの雰囲気も伝えられたらと思う。

★アルゼンチン戦は日本時間10月8日20時KO
《先発メンバー》
1    稲垣啓太
2    堀江翔太
3    具智元
4    ジャック・コーネルセン
5    アマト・ファカタヴァ
6    リーチ マイケル
7    ピーター・ラブスカフニ
8    姫野和樹
9    齋藤直人
10    松田力也
11    シオサイア・フィフィタ
12    中村亮土
13    ディラン・ライリー
14    松島幸太朗
15    レメキ ロマノ ラヴァ
==
16    坂手淳史
17    クレイグ・ミラー
18    ヴァル アサエリ愛
19    ワーナー・ディアンズ
20    サウマキ・アマナキ
21    福田健太
22    山中亮平
23    ジョネ・ナイカブラ

#4に続く
「タックルは疲れる…」ラグビー日本代表は4年後、どんなチームを目指す? 大西将太郎「高校ジャパンやU20も代表ヘッドコーチが見るべき」

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