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最低賃金は月収27万円なのに…まさかの逆ギレ「休憩なんだよ!」ラグビーW杯、現地記者が味わった“絶望感”「日本人とフランス人、働き方の差」

posted2023/10/02 17:11

 
最低賃金は月収27万円なのに…まさかの逆ギレ「休憩なんだよ!」ラグビーW杯、現地記者が味わった“絶望感”「日本人とフランス人、働き方の差」<Number Web> photograph by Getty Images

パリの秋、美しい街並み。ラグビーW杯、フランス現地記者が味わった“絶望感”とは?

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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 異国の街の深夜。午前1時というべきか、25時というべきか。

 街外れのスタジアムから、なかなか帰れない時の絶望感。56歳になって、味わいたくないネガティブ感情!

 それも自分のせいではないのだよ。

 ニースでの日本対イングランド戦は試合終了が23時、会見開始が23時30分、ミックスゾーン開放が24時過ぎで、話を聞いているとなんだかんだ25時。

 そこから街中へと帰るわけだが、前日のウェールズ対ポルトガル戦の時には、なんとメディアバスが勝手にキャンセルされていた。運転手が現れなかったのだ(私は、イングランド人とウェールズ人が喧嘩歌合戦をしているトラムで帰った。これはこれで最悪の体験だ)。

 ニースのメディア担当者は「このようなことが二度と起きないように対処する」とメールで詫び、日本対イングランド戦では万全を期すことを約束した。

「やめようかな。明日の朝、早いんだよね」

 ところが、である。

 メディアバスは25時にやってこなかった。私はラジオ出演があったため、バスを使うのを諦めていたのだが、利用した人の話によれば、結局、バスが出発したのは25時30分だったという。しかも、その運転手は驚きの言葉を取材陣に発した。

「俺、あんた方を町の方まで送って、また2時に戻ってくるという話なんだけどさ。やめようかな。明日の朝、早いんだよね、俺」

 OMG。

 なにごとも自分優先。これ、フランスの生き方なんでしょうか?

白タク運転手にキレられた

 バス乗り場での攻防が繰り広げられていたこの夜、私はどうしたか? 

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