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三笘薫&久保建英が活躍も…W杯で生まれたサッカー熱は持続可能なのか? JFA協働プロジェクト参加学生のホンネ「3月の代表戦は…」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2023/01/24 11:02
所属クラブで活躍を続ける三笘薫(ブライトン)と久保建英(レアル・ソシエダ)。W杯で生まれた“熱”を3月の代表戦につなげることができるか
「Jリーグがいつ開幕するのかを知っていますか?」
サッカーを日常的に見てもらう機会として、Jリーグがある。しかし、日本代表選手の大半は海外でプレーしている。
カタールW杯後にも、谷口彰悟が川崎フロンターレからカタールのクラブへ移籍した。相馬勇紀もポルトガル1部のカーザ・ピアに期限付きで移籍し、W杯に出場したJリーガーは、長友佑都、権田修一、酒井宏樹、山根視来、町野修斗の5人に限られる。カタールW杯で日本代表に興味を持ったという人からすると、物足りなさを感じるかもしれない。
協働プロジェクトに参加していたある学生に、「2023年のJリーグがいつ開幕するのかを知っていますか?」と聞いたところ、知らないとのことだった(川崎フロンターレと横浜F・マリノスによるオープニングマッチが2月17日に開催される)。3月に行なわれる日本代表のテストマッチについても、観戦に前向きな答えは返ってこなかった。
残念ながら、これが現実なのだ。
プレゼンで公開された資料では、中央大学の学生の9割がJFAパスポートの存在を知らなかった。アプリを活用するという着眼点は悪くないが、コンテンツを充実させればダウンロード数とアクティブユーザーが増える、というわけではないだろう。
代表チームの活動は不定期だ。最短でも月1回ペースになる。
空白期間のほうが圧倒的に長いなかで、日本代表やサッカーに関心を持ってもらうには、継続的な情報発信が不可欠だ。W杯後、吉田麻也が代表のチームメイトにテレビ番組への出演を促したことや、日本プロサッカー選手会(JPFA)会長としてJPFAアワードを設立し、三笘薫が初代最優秀選手賞を受賞したことも話題を呼んだ。こうした選手たちの努力を追い風に、3月から再開される活動では、ライト層にも伝わる「見どころ」を打ち出していくべきだ。
そのうえで、前例にとらわれない大胆な施策が求められる。いまこのタイミングなら、W杯前よりもはるかに大きな注目を集めることができる。もちろん、日々サッカーを報じるメディアにとっても決して他人事ではない。「勝負の3月」は、すぐそこに迫ってきている。
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