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「(三笘)薫は冷たいシャワーを浴びている」日本代表・守田英正が語る“試合当日のルーティン”「カフェインで脳をギンギンにする」
text by
守田英正Hidemasa Morita
photograph byGetty Images
posted2022/12/01 17:03
コスタリカ戦でW杯デビューした守田英正。高校時代は“無名選手”だったという守田はどんな方法でステップアップしていったのか?
不思議なことに、視野自体は集中しすぎの状態の方が広いんですね。でも解像度が悪いんです。モヤがかかった感じで、細部までクリアに見えません。
たとえば視界の中に敵味方合わせて10人とらえられたとしても、1人ひとりがボヤけて、各自の動きがはっきり見えません。
一方、集中と覚醒のバランスがとれて視界がクリアになると、とらえられる人数は7、8人に減るんですが、1人ひとりがめちゃくちゃはっきり見えます。
僕はパスを出すときに、相手の位置や動き出しを最後までぎりぎり見定めてコースや強さを決めるので、視界がクリアか、ボヤけるかが死活問題なんです。
フロンターレ時代はまだ自分の準備が甘く、「今日は集中しすぎて脳がやばいぞ」という試合が何度かありました。アップのときにわかります。
応急処置として、キックオフ直前に水風呂の中に頭を突っ込んで冷やしたこともありました。
それでも脳がクリアにならず、相手が動いたと思って出したら、動いていなかったという場面も多々ありました。
そういうときは割り切って、走力で貢献しようと戦い方を切り替えました。その引き出しがあるのも、自分の強みです。
とにかく大袈裟ではなく、マジでギンギン状態の「本番脳」は「普段脳」と違います。
W杯最終予選で僕のパフォーマンスが良かったか悪かったかはおいておいて、出場した全試合で最高のギンギン状態で臨めました。
練習でも勝負の日はカフェイン投入
もちろん、自分でもカフェインの摂りすぎを自覚しています。
栄養士に相談したところ「もっと摂っている選手もいるから、気にしなくて大丈夫ですよ」と言ってもらえたのですが、試合後、朝4時、5時まで寝られないことはザラで、連戦のときは睡眠薬をドクターからもらっています。もう少しカフェインの量を減らしてもいいかなと思っています。
けれど、プロ選手にとって勝負どころは試合だけではありません。
運命を分ける練習が必ずあります。
たとえば、レギュラーを取りかけているときの紅白戦。監督からの信頼を絶対的なものに変えなければいけない。そういう日は試合と同じようにカフェインを摂取し、脳をギンギンに持っていくんです。
2022年8月のポルトガルリーグ開幕前がそうでした。