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ラグビー界「選手→レフリー転身」はさらに続く? “仕掛け人”も期待する189cmロックが二刀流に挑戦「滑川さんに刺激を受けました」 

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多羅正崇

多羅正崇Masataka Tara

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photograph byMasaki Kondo

posted2022/11/21 17:01

ラグビー界「選手→レフリー転身」はさらに続く? “仕掛け人”も期待する189cmロックが二刀流に挑戦「滑川さんに刺激を受けました」<Number Web> photograph by Masaki Kondo

高校生の試合で笛を吹く近藤雅喜(三重ホンダヒート)。待望のフォワード出身者のレフリーとして期待される

 恩師への想いも抱く。東海大仰星高時代の監督であり、現在は東海大相模高の校長を務める土井崇司氏だ。

「最初にレフリー挑戦を伝えたのは土井先生です。連絡を取って挑戦を伝えると、すぐに返事がありました。世界を目指してほしい、という激励を頂きました」

 近藤はレフリーとして世界に出るつもりでいる。かつて7人制日本代表としてピッチに立った最高峰ワールドラグビーセブンズシリーズが目標の舞台だ。

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「目の前の一日一日を積み重ねて、まずはそう遠くない未来にリーグワンのディビジョン1で笛を吹くことを目標にしています。中期的には、今度はレフリーとして7人制のワールドシリーズに戻る、ということは自分の中で決めています。選手、レフリーとしての参加が実現すれば、日本人男子では初めてだと聞いています」

 そして、かけがえのない存在への想いもある。近藤には夢を支えてくれる家族がいる。

「妻は『今度はレフリーとしての試合を見に行くね』と言ってくれています。本当に有り難いことです」

 自宅のドアを開けると、そこには無邪気に遊び回る1歳の息子もいる。家族を見ると力が抜け、心からの安らぎを感じると近藤は言う。レフリーとしてなら「現役」としての寿命は延びる。歓喜(かんき)と名付けた我が子にもいつか、選手として、レフリーとして、勝負の最前線で戦う父親の背中を見せたい。だから――。

「覚悟と責任をもって、みんなの期待に応えていかなければいけません」

 1試合7、8キロを走りながら複雑な反則の有無、プレーの継続中断を判断し続け、コミュニケーションを通じて安全かつスリリングな試合を成立させる。毎試合、そんな離れ業に挑んでいるラグビーレフリーの世界に、近藤はいよいよ足を踏み入れていく。

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