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ラグビー界「選手→レフリー転身」はさらに続く? “仕掛け人”も期待する189cmロックが二刀流に挑戦「滑川さんに刺激を受けました」
posted2022/11/21 17:01
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph by
Masaki Kondo
逆三角形の肉体美を誇る189センチの規格外レフリーだ。
ラグビー国内最高峰「リーグワン」の三重ホンダヒートに所属する近藤雅喜(こんどう・まさき)。昨季はロックとして2試合に出場した現役選手ながら、2022年より選手兼レフリーの“二刀流”に挑戦している。
強豪の東海大仰星高校、明治大学時代にU17、U19、U20日本代表を経験している愛知県出身の27歳。そんなエリート街道を歩んできたプレイヤーが、なぜ選手として脂が乗る時期にトップレフリーを目指すことになったのか。
“先駆者”滑川レフリーの存在
きっかけは二刀流の国内先駆者、滑川剛人レフリーの存在だった。
「2019年のワールドカップ後、トヨタ自動車の選手だった滑川さんのレフリー挑戦が発表されました。もともとセカンドキャリアとしてレフリーに興味を持っていたので大きな刺激を受けました」
ルール理解度やフィットネスレベルの高いトップ選手のレフリー転身は、ラグビー界の世界的潮流。国内第1号となった滑川レフリーは期待通りの活躍を見せ、2022年のリーグワンをはじめ、すでに国内ではテストマッチレベルの国際試合も担当している。
滑川レフリー誕生の仕掛け人は、元プロレフリーで、日本協会技術部門の原田隆司レフリーマネージャー(以下、RM)だ。
「16、17年頃から、折につけ各チームの監督やGMに『誰かセカンドキャリアでレフリーをしたいと言っている選手はいませんか』という話をしていました。そこでトヨタ自動車さんから滑川選手の名前が挙がってきて、是非、という話になりました」(原田RM)
実は近藤が所属する三重県鈴鹿市を拠点とするヒートも、原田RMから声掛けをされていたチームの1つだった。
「偶然にも原田さんがチームのアドバイザーでよく足を運んでくださっていました。そうした人との出会いも重なって、チーム協力の下、22年からレフリーも始めています」