ラグビーPRESSBACK NUMBER
ラグビー界「選手→レフリー転身」はさらに続く? “仕掛け人”も期待する189cmロックが二刀流に挑戦「滑川さんに刺激を受けました」
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph byMasaki Kondo
posted2022/11/21 17:01
高校生の試合で笛を吹く近藤雅喜(三重ホンダヒート)。待望のフォワード出身者のレフリーとして期待される
もともとチャレンジ精神は旺盛だ。大卒2年目の18年には7人制に挑戦し、セブンズ日本代表として最高峰大会「ワールドラグビーセブンズシリーズ」に出場している。
容易ではない二刀流生活にもやりがいを感じた。ストイックな性格で、ハードワークにはむしろ充実感を覚える。過密スケジュールについて語る近藤はどこか楽しげだった。
「10月1日(土曜日)からの1週間は大変でした。土曜日に選手として鈴鹿(三重)で行われた練習試合に出て、翌日は栃木に移動して、月曜日から三重県代表として『とちぎ国体』で試合をしました」
その国体で、近藤がキャプテンを務めた三重は見事優勝を果たしている。
「国体の後、休みの水曜日を挟んで、木曜日は合同練習のために神戸へ行きました。一日空いて土曜日はレフリーとして活動しました。またその翌日にはチーム合宿のために大分に行っていました……。忙しかったですが、充実していましたね(笑)」
「ブレイクダウンはよく見えていたね」
キャリア初のレフリー担当試合は2022年6月、出身の愛知県で行われた高校生の練習試合だ。当初は戸惑いが感触として残ったが、8月25日に行われた関西大学と新潟食料農業大学の練習試合では手応えも感じた。
「その試合でコーチをしてくれたのはトップレフリーの久保修平さんでした。僕の専門領域でもあるブレイクダウン(ボール争奪局面)に関しては『よく見えていたね』と言ってもらい、少しだけ自信になりました」(近藤)
近藤には「専門領域がある」という強みがある。