SCORE CARDBACK NUMBER
「145」から「7点差」まで。超満員の新国立で思ったこと。
posted2022/11/20 07:01
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph by
Kiichi Matsumoto
「もう、相手がオールブラックスでも日本が勝てない理由はない。絶対に勝てる。勝ちに行く」
目の前の戦いを目で追いながら、リーチマイケルが口にした言葉が何度も頭を駆け巡った。黒いジャージーがダイナミックなトライで突き放すたび、桜のジャージーはスリリングなトライで追撃。選手たちは本気でニュージーランド(NZ)に勝つつもりでいるのだ。
しかも日本のあげた4トライはどれも極上品だった。自陣のターンオーバーから90mを切り返し、山沢拓也のドリブルで決めた最初のトライ。シオサイア・フィフィタのキックが相手に当たって跳ね返ったカオスな状況から精密パスをノーミスで繋いだ流大の一撃。20歳のワーナー・ディアンズは母国を相手にキックチャージからそのまま走り切り、姫野和樹は相手DFの連携の隙を見逃さずゴールラインをこじあけた。