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「現役の時間は今しかない、戻りたくても戻れないよ」潮田玲子がJリーガーの夫・増嶋竜也と引退について話したこと「草サッカーでも満足するまでやればいい」 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byAsami Enomoto

posted2022/08/29 06:02

「現役の時間は今しかない、戻りたくても戻れないよ」潮田玲子がJリーガーの夫・増嶋竜也と引退について話したこと「草サッカーでも満足するまでやればいい」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

引退した2012年にJリーガー増嶋竜也と結婚した潮田玲子。“アスリートの妻”として夫の引退について語りかけたのは…

「例えば100良いことを言われても1個ひどいことがあるとけっこうそっちに引っ張られる、それが増えてくると『みんながそう思っている』と受け止めてしまう怖さはあります。東京オリンピックのとき、水谷隼選手がすごく攻撃されて、でも水谷選手は気持ちが強かったから『1ミリも傷つかない』と言って、かっこいいなと思いました。でもメンタルってアスリートにとってすごく大事、むしろ軸となる部分だと思うので、あえてやらないのも選択肢ではあると思います」

 それでもプラスの面にも目を向ける。

「ただ、子育てに悩んだときに『なんてだめな母親なんだ』と思いがちでした。閉ざされた世界にいて、初めてのことなのに相談できなかったりもします。そんなとき、SNSを通じて『同じような失敗しているじゃん』と悩みを共有したりできるよさがあります。なにげない家族の風景に共感できたり、共感してもらったり。マイナスのこと、リスクばかり考えても何も進まないですし、これだけSNSが発達している中で、模索しています」

キャスターとして大切にしているのも「共感」

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 キャスターとして大切にしているのも「共感」だという。

「自分が競技生活をしていたときと違う気持ちの選手もいます。ですから話に共感して共有することが大事だと思っています」

 取材が終わるや否や、潮田はメディアによる選手の伝え方などインタビュー中でのテーマについて「皆さんはどう思いますか?」と真剣な眼差しでこちら側に質問を投げかけた。潮田は答えを受け止めながら自身の考えも語り、話が再び広がっていった。

 そこにキャスターとしての姿勢がうかがえるようだった。

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