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杉原愛子「そういう目で見ないでほしいと言っても、見る人はいる」体操選手を狙う“性的撮影”…五輪では誹謗中傷も「選手村で話し合っていた」

posted2022/08/08 11:02

 
杉原愛子「そういう目で見ないでほしいと言っても、見る人はいる」体操選手を狙う“性的撮影”…五輪では誹謗中傷も「選手村で話し合っていた」<Number Web> photograph by Asami Enomoto/JMPA

東京五輪でも華やかな演技で日本を団体5位に導いた杉原愛子(22歳)。あの五輪から1年、アスリートをめぐる問題について聞いた

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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Asami Enomoto/JMPA

2016年リオデジャネイロ五輪で団体4位、昨年の東京五輪で団体5位と、日本をメダルへあと一歩のところまで押し上げた立役者の一人、杉原愛子(武庫川女子大学)が、この6月に行なわれた全日本種目別選手権で現役生活に一区切りをつけた。

五輪に2度出場し、高い技術と華のある演技で観衆を魅了してきた杉原に、近年、JOCなどの公的組織でも議論されるようになっている女性アスリートの性的な画像投稿・拡散の問題や、SNSの誹謗中傷問題について考えを聞いた。(全3回の特別インタビュー3回目/#1#2へ)。

「そういう目で見ないでほしいと言っても、見る人はいる」

 性的な部分を強調する画像は、以前からあった。ただ、昨今はインターネット上で大量に拡散されるようになっている。性的な画像に関して、女子体操選手はターゲットになりがちだ。杉原はどのように向き合ってきたのか。

「私はどちらかというとあまり気にしないようにしていたタイプです。(性的な目的で投稿された)画像を目にしてしまった時などは嫌な気持ちはしますが、別にどうでもいいや、と流すようにしています。本当は、そういう目じゃなくて、体操を見てほしいという気持ちが大きいですけどね」

 SNSでは、匿名のアカウントから不快な画像が送りつけられることもある。また、メディアの報道でも、何故この写真がチョイスされたのかと疑問に感じてしまうような写真が掲載されることがある。

 杉原は「そういう時は、まあ、しゃあないと思うようにしていました。いくらそういう目で見ないでほしいと言っても、見る人はいますから、受け流すしかない。それが一番の自衛策でもあります」と語る。

「予選落ちしろ」「しね」東京五輪で送られた誹謗中傷

 SNSでは言葉による暴力もある。とりわけ昨年の東京五輪前後はSNS上で選手への誹謗中傷が相次ぎ、社会問題になった。これについてはどのように対処してきたのだろうか。

「ある意味、私は、その誹謗中傷を真に受けるのは違うと思っていて、逆に、この人は私に注目しているんだというように、発想を転換するようにしていました」

 杉原はそのように語る。

「それでもやはり、目にするだけで嫌な気持ちになる書き込みはあります。自分のことだけではなく、同じ日本代表の仲間に対しての書き込みで気分が悪くなることも多々ありました」

【次ページ】 杉原が明かす、東京五輪の裏で起きていた“偽らざる真実”

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