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国内最大級の分析ユニット、海外クラブと提携… 東大サッカー部のテクニカルスタッフが語る「Jのクラブにはない強み」とリアルな学生生活
text by
澤田将太Shota Sawada
photograph byNumber Web
posted2022/06/29 11:01
東京大学ア式蹴球部テクニカルスタッフの木下慶悟さん。「きのけい」のペンネームでサッカーメディアに分析記事も執筆している
――ちなみに、Jクラブからのオファーはないんですか?
「以前にJクラブから分析の依頼を受けたことがあります。日本は分析の分野においてはまだまだ世界に遅れをとっているので、ア式としてもさらに頑張っていきたいところですね」
部活、夕食後にも授業が…東大を目指す進学校での生活
――小中高とサッカーを続けてきた木下さんの選手時代のお話も聞かせていただければ。
「小学校1年生で地元のサッカー少年団に入って、気づいたらセンターバックをやっていました。ずっとセルヒオ・ラモスが好きだったので、FWへの憧れはなかったですね。中高ではキャプテンをやらせてもらっていましたが、特に強いチームではなく……。高校時代は、埼玉の県大会まであと少し、くらいのレベルでした」
――学業に力を注ぎながらキャプテンというのは十分にすごいと思います。
「いえいえ。正直、大学入学後は周囲のレベルの高さに面食らいました。加えてアキレス腱や靭帯の怪我を繰り返してしまったので、大学2年になるころに選手としては引退して、テクニカルスタッフ(分析官)に転向したんです」
――進学校でサッカーを続けるのは難しかったのでは? 東大受験前はどういった生活サイクルだったのでしょうか。
「中高一貫で成績順にクラス分けされるような学校だったので、勉強はかなり大変でした。高校時代は朝6時半に起きて自主練して、授業を1限から6限まで受けてから部活に行き、終わったら学食で夕食を食べるんです。その後に特別授業を2時間受けて、家に着くのは10時過ぎ。で、翌朝はまた6時半に起きて……みたいな生活ですね」
――えっ? 夕食の後にも授業があるんですか?
「はい。部活がない人は、6限が終わった後にも2時間の特別授業がもう1コマ。休日には予備校と提携した授業もありました。“進学校あるある”なのかもしれませんが、塾に通わずとも校内でなるべく完結させようというプログラムです。もちろん希望者だけが参加するものなので、強制ではないですよ」