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国内最大級の分析ユニット、海外クラブと提携… 東大サッカー部のテクニカルスタッフが語る「Jのクラブにはない強み」とリアルな学生生活

posted2022/06/29 11:01

 
国内最大級の分析ユニット、海外クラブと提携… 東大サッカー部のテクニカルスタッフが語る「Jのクラブにはない強み」とリアルな学生生活<Number Web> photograph by Number Web

東京大学ア式蹴球部テクニカルスタッフの木下慶悟さん。「きのけい」のペンネームでサッカーメディアに分析記事も執筆している

text by

澤田将太

澤田将太Shota Sawada

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東大生が本気でサッカーについて考えたら、何が起こるのか?

東京大学ア式蹴球部テクニカルユニットには、現在約20名の戦術分析スタッフが在籍している。これはプロ・アマ含めて国内トップクラスの規模だ。また彼らは現役の学生でありながら海外のクラブとパートナーシップを締結し、すでに“世界”で仕事をしている。

同テクニカルユニットで3年時にデータ分析長を務めた“きのけい”こと木下慶悟さんは、『footballista』などのサッカーメディアで解説記事も執筆している。彼は東大でどんなことを学び、サッカーへの見識を深めているのだろうか。(全2回の1回目/後編へ)

知られざる「東大のサッカー分析班」の仕事とは

――ア式蹴球部のテクニカルユニットでは、具体的にどんな分析を行っているのでしょうか?

「大きく3つのセクションに分かれていまして、1つめは相手を分析する『スカウティング』。2つめは俯瞰的に進行中の試合を分析して、ベンチにいる選手や監督に映像を踏まえて状況を伝える『リアルタイム分析』。そして3つめは、終わった試合の情報から自チームを研究する『データ分析』です。僕は昨年度までデータ分析長をやっていました」

――Jリーグでは2015年から走行距離やスプリント数などを計測するトラッキングシステムが導入されました。ア式でもそういった機材を使用しているのですか?

「以前はJリーグと比べかなり古いものを使っていたのですが、1年ほど前に多くの方の尽力もあって、最新のGPS機材を導入しました。それまでは選手の位置と心拍数くらいしか出せなかったので、本当に大変だったんですよ(笑)。速度に時間を掛けて全選手の走行距離を算出したり、一定の速度を超えたらスプリントがカウントされるように自分たちでプログラミングしたり……。データを出すだけでもすごく労力がかかっていたので、新しいGPSが導入された時は部員みんなで盛り上がりました」

【次ページ】 海外クラブの試合をオンラインでリアルタイム分析

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