- #1
- #2
サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
中村憲剛が語った「技術や戦術以上に大切なもの」とは… アウェイ決戦に臨む日本代表への熱い提言「サッカーの本質を問われる試合になる」
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byJMPA
posted2022/03/22 17:01
勝てばW杯出場が決まるアウェイでの大一番。中村憲剛氏は「いち早くオーストラリアの狙いを察知し、対応すること」に加えて、あらためて「気持ち」の重要性を説いた
旗手を招集したことによって、4-3-3をより充実させることができます。守田英正、田中碧に続くインサイドハーフの選択肢になり、サイドバックでもウイングでも起用できます。4-2-3-1へシステムを変更した場合は、2列目の選択肢になります。ポリバレントな彼の復帰は、チームにとって大きいでしょう。
三笘薫の復帰も大きい。南野拓実に次ぐ左ウイングをどうするのかという課題を、違う形で解消できます。南野とはタイプの異なる三笘を使うことで、別の攻め筋を見せることができますし、戦術的な幅が広がります。
また、三笘、旗手、守田、田中、谷口彰悟、山根視来は、川崎フロンターレでともにプレーしていました。日本代表と同じ4-3-3のシステムで、お互いがどういう動きをするのかを理解できています。彼らが持つグループとしての連携を、生かすことができるでしょう。
三笘は単独で突破できるので、同サイドのSBには彼を追い越して何度もオーバーラップするよりも、三笘の動きに合わせたインサイドサポートや守備のリスク管理が優先されます。
そういったプレースタイルを実行できる中山雄太の存在が、三笘の出場によってクローズアップされてきます。中山を起用することは、セットプレーやクロスの守備での高さを、強化することにもつながります。
彼らふたりが構成する左サイドは、昨年11月のオマーン戦で機能することが確認できています。人によって戦術の幅が広がるとは、そういうことなのです。
背水の陣を敷くオーストラリアの狙いを察知せよ
勝ち点3差で日本をホームに迎えるオーストラリアは、2月1日のサウジアラビア戦を迎えた森保ジャパンに似たメンタリティです。つまりは背水の陣であり、「予選突破のためには、絶対に勝たなければいけない」という熱量で臨んでくるでしょう。
日本のホームで対戦したオーストラリアは、彼らがスタイルとする後方からの丁寧なビルドアップを中心に、サイドバックが幅を取りながら攻めてきました。それに対して前半の日本は、前線からのプレスをきっかけとしたショートカウンターがハマり、早い段階で先制することができました。自分たちのペースに持ち込みました。