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野球のぼせもんBACK NUMBER
二軍落ちリチャード“その後”「ショックで表情暗く…立ち直れてない」現地記者にひと言、“苦しむ怪物の今”…ソフトバンク同僚・山川穂高はどう見た?
posted2025/04/18 11:01

プロ8年目で初の開幕スタメン入りも無念の二軍落ちとなったリチャード25歳
text by

田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
KYODO
◆◆◆
リチャードの二軍落ちが決まった夜。ドームから帰宅しようとしていた“師匠”の山川穂高も、どこかやりきれない表情だった。
「二軍では打つ」の誤解
成績や打席結果だけ見れば、過去と何も変わっていない。それでも山川は言う。
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「いや、あいつも(打席の中で)考えてはいますよ。もちろん考えている、考えられるようになってきてます」
しかし、こんな風に言葉を継いだ。
「ただ、厳しいですけど、こういう世界ですよね。僕だって(一軍戦に)出始めの頃にこんな成績だったら速攻二軍なわけです。すぐに結果が求められる。それは通り道です」
真っ当な正論だ。リチャードは一軍に居られる結果を残すことができなかったのだ。
このとき、筆者はぽつりと山川に言った。
ウエスタンではあんなに打っているのにね。
だが、その言葉に山川は「打ってます?」と首をかしげて反応した。
「二軍でホームランはたくさん打ってますけど、打率は2割台前半とかですよね(昨季は2割4分2厘、昨季までの二軍通算は2割2分9厘)。一軍だとピッチャーのレベルって段違い。だから打率は6分ぐらい下がるって言われてるんです。だから二軍で打率3割打っても一軍では2割4分、5分になるんです」
山川の若手時代の成績を調べてみると、たしかにその通りだ。ルーキーイヤーだった2014年は二軍で321打席に立ち打率3割2分1厘、21本塁打をマークしていた。2016年も268打席で打率3割3分3厘を残した。それでも一軍では通算打率2割5分4厘となるわけだ。
リチャードが這い上がってくるために必要な答えはそこにある。