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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
中村憲剛が語った「技術や戦術以上に大切なもの」とは… アウェイ決戦に臨む日本代表への熱い提言「サッカーの本質を問われる試合になる」
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byJMPA
posted2022/03/22 17:01
勝てばW杯出場が決まるアウェイでの大一番。中村憲剛氏は「いち早くオーストラリアの狙いを察知し、対応すること」に加えて、あらためて「気持ち」の重要性を説いた
しかし、後半のオーストラリアは日本の戦い方を見たうえで、ロングボールを早い段階で前線に入れ、そのセカンドボールを拾って日本を押し込む作業をしてきました。
前回対戦の分析をもとにすると、オーストラリアは先に失点したくないという意識をさらに強めているかもしれない。サイドバックは最初から後ろに穴を空けないように高い位置も幅も取らず、ロングボールを多めに使ってノーリスクで攻めてくる可能性もゼロではありません。日本はピッチに立つ選手全員が、相手の出方に対していつも以上にアンテナを張らないといけないのです。
日本に求められるのは冷静な分析力と「したたかさ」
相手の攻撃だけでなく、守備に対しても同じことが言えます。
前からプレスにくるのか、しっかりとブロックを作ってくるのか。
そのブロックも中をより締めてきているのか。それとも、最終ラインと中盤の4-4のゾーンは少し空いているのかどうか。
勝たなければいけないオーストラリアが、最初からガンガン攻めてくるのか。必ずそうしてくるとは決めつけられません。90分で勝ち切ればいいとして、静かなスタートを選ぶかもしれない。
いつも以上にアンテナを高くして、相手の狙いを見極めてほしいのです。ただ、それは守りに集中しろ、ということではありません。
日本がリスクを取らないサッカーをすると、その姿勢を見たオーストラリアは乗ってくるでしょう。彼らにとっては大観衆の後押しがあるホームでの戦いですから、勢いに乗せてはいけない。ガードを固めるだけでなく、ジャブもストレートも打っていくのです。
日本に求められるのは、「見極め」と「したたかさ」です。
相手の出方をしっかりと見極める冷静さと、見極めたうえで相手を上回れるようにしたたかに戦うことが、間違いなく必要になります。オーストラリアの狙いを読み取りながら、時間の経過とともに自分たちの戦い方を変えていけるのかが、とても重要になるでしょう。
日本にとっては、これまで苦手にしてきた2連戦の初戦です。しかも、ヨーロッパから合流する選手たちは、これまでのアウェイゲームより移動距離が長い。フィジカルコンディションもバラバラで、全員が揃っての練習はわずか1回の予定です。