酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
プロ野球「5シーズン本塁打番付」 日本人横綱は王さんで大関ノムさん、外国人横綱や現役で名を連ねるのは誰?
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKoji Kakuta/Kou Hiroo
posted2021/05/03 17:02
王貞治、野村克也は上位5年間の合計本塁打数もすごい。ではそれ以外のスラッガーや外国人横綱は?
西の横綱・大関が“バースじゃない”ワケ
西の横綱は近鉄、巨人で活躍したタフィー・ローズ。長くNPB記録だった王貞治の記録に並ぶ55本塁打をはじめ40本塁打以上を7回記録。本塁打王4回、打点王3回。NPBで13年にわたって活躍した。
続いて大関は西武、オリックス、ソフトバンクで活躍したアレックス・カブレラ。彼も王貞治に並ぶ55本塁打を記録。本塁打王、打点王各1回だが、NPBでは12年にわたって活躍した。
関脇にタイロン・ウッズ。ローズ、カブレラはともにMLBでのプレー経験が多少なりともあるが、ウッズはマイナーで終わり、KBO(韓国プロ野球)を経て横浜に。のち中日に移籍し、本塁打王3回、打点王1回。NPBでは6年のキャリアだったが最終年も35本塁打を打った。
小結はランディ・バース。三冠王2回、史上最強外国人の評価もあるが、打撃タイトルは三冠王を取った1985、86年だけ。活躍した期間は意外に短かったのだ。
広くなった球場の中で中村、松井、松中は偉大
東の前頭筆頭は現役の中村剛也。6回の本塁打王に輝く。すでにレジェンドだ。王貞治や野村が活躍した昭和時代、球場は両翼90m、中堅115m程度。中村が活躍している現代は両翼100m、中堅120m。飛距離100m以下の本塁打は地方球場以外では絶滅している。それを考えれば、この数字は偉大だと言えよう。
そういう意味では前頭2枚目の松井秀喜、9枚目の中村紀洋、幕尻の松中信彦らも大きく評価されてよいものだろう。
なお東の幕内には、田淵、門田、秋山、大杉、長池、掛布と一世を風靡したスラッガーが並んでいる。
西の前頭筆頭はラルフ・ブライアント。来日時は中日でくすぶっていたが、近鉄に移籍してから大爆発した。本塁打王3回、打点王1回だが、1993年には史上最多の204三振を記録した超大型扇風機だった。
2枚目は昨年までDeNAの監督で、外国人初の2000本安打を記録したアレックス・ラミレス。
3枚目は2013年、ヤクルト時代に王貞治の記録を抜く60本塁打を記録したウラディミール・バレンティン。NPBのFA資格を有し、外国人枠を外れているが、ソフトバンク移籍後は不振が続いている。
三冠王のブーマー・ウェルズは西の5枚目、現役では現ロッテのブランドン・レアードが9枚目につけている。レアードは今後、記録を更新する可能性があるだろう。