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<AK砲が明かす真剣勝負の舞台裏>
清原和博&秋山幸二
「2分の1のスリルと100%の純情」

posted2020/08/31 07:30

 
<AK砲が明かす真剣勝負の舞台裏>清原和博&秋山幸二「2分の1のスリルと100%の純情」<Number Web> photograph by Masato Daito

清原和博と秋山幸二、2人の主砲に大きな衝撃を与えた野茂英雄。

text by

鈴木忠平

鈴木忠平Tadahira Suzuki

PROFILE

photograph by

Masato Daito

鳴り物入りでプロデビューしたルーキーとの初対決は、常勝ライオンズが誇る2人の主砲に大きな衝撃を与えた。ストレートか、フォークか。三振か、ホームランか。記録を超えた、潔いほどの果たし合い。勝っても負けても、彼らはなぜ、野茂英雄に惹きつけられたのか――。

 西陽に照らされた藤井寺球場は、いつもより空席が目立たなかった。

 1990年4月10日、平日の夕刻から駆けつけた人々の目当ては、これがプロデビュー戦となるルーキー野茂英雄であった。

《こういうことか……。このピッチャーとはそういう巡り合わせなんやな》

 1回表、西武ライオンズの4番、清原和博は半ば呆れながら打席に立った。

 ノーアウト満塁。そんな状況で初対決を迎えることが、野茂との避けることのできない因縁のように感じられたのだ。

 野茂を知ったのは2年前だった。遠征先のホテルでテレビをつけると、ソウルオリンピックの決勝戦が映っていた。画面の真ん中には、アメリカ代表の大男たちを相手にストレート勝負で立ち向かう投手がいた。

《アメリカを相手に力勝負しとる。大阪にこんなピッチャー、おったんか……》

 経歴を見ると1歳下で、野球では無名の成城工業高校の出身だった。清原がPL学園3年の夏、大阪大会2回戦で完全試合をしていたのだという。清原はそのことをまったく知らなかったが、投球フォームも、打者に向かっていく気持ちも、他の投手と一線を画したその姿が強く印象に残った。

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