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PSV、アヤックス連戦で気づいた事。
先発続く板倉滉がCBの牙を研ぐ。
posted2019/10/03 20:00
text by
本田千尋Chihiro Honda
photograph by
Getty Images
それは、6月に日本代表の一員としてコパ・アメリカで戦った南米の古豪とも「またちょっと違う強さ」だったという。
板倉滉は、オランダ随一の名門クラブの「強さ」を、次のように体感した。
「コパの時はボランチでやっていたので、感じ方が多少は違いますけど、サッカー自体がちょっと違うというか、ウルグアイはカバーニ、スアレスの前が強かった。アヤックスは細かく繋ぐところが上手いし、バリエーションを持って攻めてくる。ウルグアイとはまたちょっと違う強さだなっていうのは、感じましたね」
9月28日、小雨に霞む、灰色のアムステルダム――。
エールディビジ第8節。板倉は、ヨハン・クライフ・アレナのピッチに立っていた。目の前にはドゥシャン・タディッチ、ハキム・ジエシュ、ダビド・ネレス――昨季のチャンピオンズリーグでベスト4に進出した3トップに、クインシー・プロメスやドニー・ファンデベークが厚みをもたらし、磨きに磨かれた連動性を発揮して迫って来る。
敵地に乗り込んだ対アヤックス・アムステルダム戦で、板倉はCBのポジションで先発出場。当初FCフローニンゲンは[4-4-2]の布陣を敷いたが、前線からのプレスがハマらないと見るや、比重を後ろに置く[5-4-1]に変更。マンチェスター・シティからレンタルで加入中の日本人DFは、5バックの中央で、声を張り上げて守備の指揮を取っていた。
「PSV戦の時もそうでしたけど、アヤックスはポジショニングや周りのサポートがやっぱり上手い、と感じました。
特に11番(クインシー・プロメス)の位置取り。
ボールの回し方もすごく賢いと思いましたし、選手たちのポジショニングも、こちらからするとすごく嫌なところに立ってくる。タディッチも常に嫌なところに走ってくるというか、掴みづらいところに動いてくるな、というのは感じましたね」
名門クラブの「ちょっと違う強さ」。
3日前――。
フローニンゲンはPSVと戦った。今季アヤックスと首位の座を争う強豪との対戦でも、板倉は、これまで試合を重ねてきたエールディビジのクラブとは「ちょっと違う強さ」を感じたという。
個々の能力、スピード、巧みなパス回し、嫌なところに立つポジショニング――パブロ・ロサリオ、スティーブ・ベルフワイン、デンゼル・ダンフリースといったクオリティの高い選手たちは、要所要所できっちりと点を取ってくる。