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マンCは降格、ユーベは優勝剥奪!?
欧州サッカーの復活と没落の歴史。
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byGetty Images
posted2019/08/26 11:00
2000-01シーズン、ベッカム(右)らを擁してリーグ制覇を達成したマンU。一方、マンCは18位に沈み2部へ降格した。
残留争いをしていたパリSG。
4大リーグ以外も簡単に見ておこう。
フランスは何といってもパリ・サンジェルマンが“成金”と言えるだろう。カタールのオイルマネーが入って以降、イブラヒモビッチ、ネイマールを筆頭とした大型補強はもうおなじみだ。しかし21世紀初の優勝は2012-13シーズン。21世紀初頭はリヨンが7連覇を果たす陰で良くて中位、ひどい時には残留争いに片足を突っ込んでいたほどだった。
オランダはAZ(2008-09)とトウェンテ(2009-10)、ポルトガルはボアビスタ(2000-01)が優勝した以外、基本的に限られた数クラブの争いであることは変わりない。
限られたチームが覇権を争うパワーバランスが唯一崩れたのは、スコットランド・プレミアリーグだろう。
優勝はほとんどセルティックとレンジャーズの2強で、中村俊輔がセルティックに所属した頃の宿敵、というイメージは強いだろう。しかしその一角であるレンジャーズが危機的状況にいたのだ。
クラブは2012年に破産し、翌シーズンから4部相当のリーグに降格。2014-15シーズンには2部で3位に終わり、昇格を逃す屈辱も味わった。プレミア復帰後も2年連続で3位に終わり、スティーブン・ジェラードが監督に就任した昨季ようやく“定位置の1つ”である2位。打倒セルティックを目指せる立場に戻ってきた。
経営状況、天才プレーヤーの加入、気鋭の指導者の登場……リーグの勢力図が変わるきっかけは様々だ。何かのきっかけでその潮流が変わるかも――そんなことを想像しつつ、週末に眠い目をこすりつつワールドクラスのプレーに驚くのも、趣深いのではないか。