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マンCは降格、ユーベは優勝剥奪!?
欧州サッカーの復活と没落の歴史。
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byGetty Images
posted2019/08/26 11:00
2000-01シーズン、ベッカム(右)らを擁してリーグ制覇を達成したマンU。一方、マンCは18位に沈み2部へ降格した。
スキャンダルだらけのセリエA。
■セリエA■
<没落のち復活>
ユベントス、ナポリ、フィオレンティーナ、パルマ
<黄金期のち停滞>
インテル、ミラン
申し訳ないのだが、セリエAは“仕分け”が難しいというか、特殊である。ほぼすべての有名クラブがどこかのタイミングで“没落”しているからだ。分かりやすいのはユーベ、インテル、ミランだろう。21世紀初頭はこの3強がタイトルを争う構図だったが、2006年のカルチョスキャンダルでユーベがセリエB降格、ミランはセリエAに残ったものの競争力を失った。
このタイミングを逃さなかったのはインテル。ユーベが優勝を剥奪され、インテルの手に渡った2005-06シーズンを契機に5連覇を達成。一方でミランも2010-11シーズンに優勝し、ミラノ勢復権の時代になる……かに見えた。
しかし2011-12シーズン、クラブの象徴であるデル・ピエーロのクラブ在籍最終年にユーベがリーグタイトルを奪還。セリエB降格の憂き目にあってもブッフォンらを手放さなかったことがやはり大きかったのだろう、セリエA8連覇につなげている。
“セリエC”からの這い上がり。
追う立場だったはずのミラノ勢が力を失い、ここ近年ユーベに挑んでいたのは南部の雄ローマ、そしてナポリだった。特にナポリは2004年の破産宣告によってセリエC行きに。2000年代はセリエBに4シーズン、その下のセリエC1に2シーズンいた。当時から応援する熱狂的なファンでも、アンチェロッティが監督を務め、メルテンスやミリクらが名を連ねる現在の隆盛を想像できなかっただろう。
ナポリと同じかそれ以上に波乱万丈なのは、クラブ消滅を経てセリエAに戻ったパルマとフィオレンティーナだろう。
特にフィオレンティーナのジェットコースターぶりがすごい。2002年に経営破綻で4部セリエC2へ降格。そこから一度は這い上がったがカルチョスキャンダルでセリエBに再び逆戻り。1年でセリエA復帰し、2010年代は4度のEL出場権を確保している。昨季は16位と残留争いに巻き込まれたが、過去を思えばかすり傷程度なのかもしれない。今季はリベリーを獲得するなど、台風の目になれるだろうか。