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マンCは降格、ユーベは優勝剥奪!?
欧州サッカーの復活と没落の歴史。
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byGetty Images
posted2019/08/26 11:00
2000-01シーズン、ベッカム(右)らを擁してリーグ制覇を達成したマンU。一方、マンCは18位に沈み2部へ降格した。
13位で終えたシーズンもあったドルトムント。
■ブンデスリーガ■
<成り上がり・復活>
ドルトムント、ホッフェンハイム、ライプツィヒ
バイエルンという大巨人に、どのクラブが挑戦権を得るか。ブンデスの構図は今も昔も変わらない。ただこの10年間で“No.2”のポジションはドルトムントで固まった。
それもあってドルトムントを成り上がりに分類するのは、正直違和感があるだろう。しかし2001-02シーズンの優勝とその前後のシーズンの3位以降、CL圏内にすら入れない状態だったのだ。2007-08シーズンにいたっては13位にまで転落していた。
この危機的状況に、翌シーズンから監督に就任したのは、ご存知クロップだった。その後の逆襲劇は香川真司やレバンドフスキらの大活躍を思い出せば説明不要のはず。
クロップをきっかけに復活したドルトムントとは対照的に、一気にのし上がったのはホッフェンハイムとライプツィヒ。前者はユリアン・ナーゲルスマンという若き「ラップトップ型」監督とともに成長していった。そのナーゲルスマンは今季からレッドブルの資本で昇格し続け、昨季3位に食い込んだライプツィヒの監督に。新興勢力同士の奪い合いも、なかなかえげつない。
少しでも歯車が狂うと……。
<停滞・没落>
シュツットガルト、ハンブルガーSV
新興クラブが台頭したのとは対照的なのは、日本人選手も多く在籍していた名門チームの苦戦だ。2006-07シーズン優勝したシュツットガルト、リーグ創設から常に1部に在籍していたハンブルガーSVが2部に沈んでいるという現実もある。経営が安定しているイメージのブンデスもやはり、少しでも歯車がかみ合わなければ転落してしまう世界である。