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マンCは降格、ユーベは優勝剥奪!?
欧州サッカーの復活と没落の歴史。
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byGetty Images
posted2019/08/26 11:00
2000-01シーズン、ベッカム(右)らを擁してリーグ制覇を達成したマンU。一方、マンCは18位に沈み2部へ降格した。
オイルマネーで潤ったチェルシーとシティ。
■プレミアリーグ■
<成り上がり・復活>
チェルシー、マンチェスター・シティ、トッテナム、レスター
今や優勝争いをしていないと騒がれるチェルシーとシティ。言わずもがな欧州サッカーを席巻したオイルマネーの象徴である。チェルシーは2003年にロマン・アブラモビッチオーナー、シティは2008年にUAEの投資グループが買収。そこからの大補強、そしてモウリーニョやコンテ、ペジェグリーニ、グアルディオラといった名将の招聘でのし上がった。
一方で2000-01シーズンのプレミア最終順位を見ると、チェルシーは6位、シティに至っては18位で降格の憂き目にあっている。同じロンドンとマンチェスターをホームタウンとするアーセナルとユナイテッドに遠く届かない存在だったのだ。
2クラブ以外に立ち位置を確立したのはトッテナムとレスターだろう。
リバプールを含めた「ビッグ6」に比べれば、レスターの規模は小さい。それでも1部昇格直後の2015-16シーズンに成し遂げた奇跡のプレミア優勝は語り草だし、その後も12位、9位、9位。2008-09シーズンには3部相当であるリーグ1にいたことを思えば、エースのバーディーとともに成り上がったクラブだ。トッテナムもベイルやモドリッチらを輩出し、ポチェッティーノ監督就任後はCLの常連に。昨季のCL準優勝をはじめタイトルにあと一歩という状況だが、ケイン、ソン・フンミンらの豪華アタッカー陣を見ると、その壁を超える期待感はある。
懐かしいリーズの大躍進。
<停滞・没落>
マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リーズ
「停滞・没落」に入れたとはいえ、ユナイテッド、アーセナルは今も世界的な人気を誇るメガクラブである。しかしユナイテッドは21世紀に入って7度のプレミア優勝、アーセナルは無敗優勝した2003-04シーズンの栄華と比べると、現状が寂しい成績なのは間違いない。両クラブとも若返りを果たす中で、かつては下に従えていたチェルシー、シティとの立場を再びひっくり返せるだろうか。
文字通り没落したのはリーズ。若き日のリオ・ファーディナンドやキューウェルを擁してCLベスト4に入るなど、まさに大躍進だった。しかしムチャな補強のツケがたたって2部、3部と転がるように降格していった。