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マンCは降格、ユーベは優勝剥奪!?
欧州サッカーの復活と没落の歴史。
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byGetty Images
posted2019/08/26 11:00
2000-01シーズン、ベッカム(右)らを擁してリーグ制覇を達成したマンU。一方、マンCは18位に沈み2部へ降格した。
フォルラン、アグエロの強力2トップ。
■リーガ・エスパニョーラ■
<成り上がり・復活>
アトレティコ・マドリー
20世紀末から21世紀初頭にかけてのリーガは群雄割拠だった。また2000-01シーズンはレアルが優勝したものの、2位はデポル、3位はマジョルカ。翌シーズンはバレンシアが優勝、2位はデポル、レアルは3位。バルサは2シーズン連続4位の屈辱を味わったのである。
そんな中で今やバルサ、レアルに次ぐ3強の座を占めているアトレティコだが、21世紀初頭は2部でくすぶっていたのである。
若き日のフェルナンド・トーレスの活躍で2002-03シーズンに1部復帰したが、それからの数年は中位が定位置だった。だが2007-08シーズン、ハビエル・アギーレ監督のもとでフォルランとアグエロがエースを務め、リーガ4位に入って久々のCL出場権を手にした。シメオネ監督が率いてからの規律、は鮮烈だが、彼らの奮闘を覚えている人は意外と少ないのではないか。
デポルもマラガも今や2部が定位置……。
<停滞・没落>
バレンシア、デポルティーボ、マジョルカ、マラガ
アトレティコとは対照的に、バレンシアとデポルは2000年代中盤以降に苦しんだ。
バレンシアは巨大な負債を抱えた2010年代に成長著しかったビジャ、ダビド・シルバ、マタ、ジョルディ・アルバを次々と放出した。もし彼らが全員いれば、3強にも太刀打ちできそうだ……。
それでもバレンシアはシンガポールの実業家に買収されて以降は体勢を立て直しつつあるので、まだいい方かもしれない。もっと厳しい立場なのはデポルだ。
1999-00シーズンにリーガ制覇したが、あくまでガリシアの地方クラブ。補強費をどんどんつぎ込めるわけでなく、バレロンらのケガもあって競争力を徐々に失った。
2010年代だけを見ると、今季は4シーズン目の2部となる。「スーペル・デポル」と呼ばれた鮮烈さを知っている身としては、ぜひとも柴崎岳の活躍で1部復帰する姿を見たい。岡崎慎司が加入したマラガもデポルと同じく2部で、一時期の隆盛からは遠のいている。
また久保建英がレンタルで加入したマジョルカは今季が7シーズンぶりの1部復帰で、CLやELで結果を残したビジャレアルやベティスも降格を経験している。バルサと両マドリー勢以外はいつ浮き沈みしてもおかしくないのだ。