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「大迫半端ないって!」に新証言。
もうひとりの「中西」に直撃取材! 

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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photograph byTakahito Ando

posted2018/12/10 08:00

「大迫半端ないって!」に新証言。もうひとりの「中西」に直撃取材!<Number Web> photograph by Takahito Ando

練習で真っ黒に日焼けした笑顔も眩しい、爽やかな“もう1人の中西”規真。いつかまた大迫と対戦できる日を夢見る。

あの名言にまつわる秘話があった!

 話を「あのシーン」に向けると、規真は懐かしそうな表情を浮かべてこう「秘話」を語ってくれた。

「大会前は正直に言うと、大迫勇也の存在を全く知らなかったんですよ。僕らは全国で1つ1つ勝っていかないといけないレベルのチームだと思っていたので。目の前の1試合1試合をしっかり勝っていこうという考えでしたから。

 1回戦はシードで、2回戦に勝ったら、一気に準々決勝まで勝ち上がることができた感じ。

 そんな状況の中で、大迫選手が初戦から(1試合に)2発、2発って点を獲りだして……。3回戦が終わった翌日の新聞に『大迫勇也、またまたまた2発』という見出しが躍ったんですよ。

 その新聞を試合前に僕らが見て、先輩が『おいおい! こんなん書かれてるで! これで俺らが大迫に2点獲られたら、“またまたまたまた2発”になるやんけ!!!(笑)』って言いあっていたんですよ(笑)。

 そうしたら、本当に綺麗に2発やられてしまったので、ロッカールームで隆裕さんが、『新聞や、これまた新聞や。またまたまたまた2発やし、1発にしとけば良かった、1発に!』と言って……前日のことがあったので、それでみんなが大爆笑したわけなんですよ~(笑)。

 隆裕さんの名言はその伏線があったから。正直、あそこにいたみんなは『明日の新聞の見出しはそうなる(『またまたまたまた2発』)な』と思っていましたから(笑)」

予想をはるかに超えるプレーを。

 豪快に笑って昔を懐かしむ規真だが、サッカー選手としての大迫勇也の「半端なさ」は当時から強烈に感じていたという。

「もう衝撃的でした。僕も笑ってはいましたが、正直、まさか2発もやられるとは思っていなかったんですから」

 大迫に決められた2発を、規真はすべて大迫のすぐ後方から見ていたという。

「ボランチとしてプレスバックに行かないといけなかったのですが、もう鹿児島城西の全員がレベル高いし、その中でも大迫選手は突き抜けているしで、もうプレスを掛けきれていなかった。

 1点目のミドルは対応していたのが矢野という選手で……矢野が対応して右にかわされて、ニアにズドン。

 後ろから見ていて、『どちらかにかわしに行くな~』とは思っていました。でも、右に交わして、右のニアにシュートが入るとは思わなかった。

 ウチのGKも凄く良いGKだったので、『最悪ミドルだったら弾いてくれる』と思っていたんです。そうしたらズバンと最高のコースに入っていった。もうびっくりですよ」

【次ページ】 「やられた」という思いを超えた衝撃。

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