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大迫勇也の高校同期&後輩が知る、
「一番半端なかった」伝説とは。
posted2018/12/11 08:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
11月下旬、静岡駅で新幹線を降りてから、東海道本線に乗り換えて焼津駅に降り立つと、タクシーで日本有数の漁港を観ながら、とあるグラウンドに向かった。小雨が降る中、グラウンドでは大迫勇也に縁のある2人の選手が汗を流していた。
J3カテゴリの藤枝MYFCでプレーする大迫希と鮫島晃太。勇也と同じ鹿児島城西高出身で、希は同い年、鮫島は2学年下の後輩に当たる。
練習後、そろってクラブ事務所の一室でインタビューに答えてくれた。
テーマは大迫勇也について。
多くなるのは本人たちの話よりも、かつてのチームメイトの質問。それでも彼らは嫌な顔をせずに笑顔で答えてくれた。
今は勇也を応援している。
筆者は高校時代から何度も取材していて気心は知れているが、W杯中は大迫勇也絡みの取材が殺到したと聞く。「こういう取材は嫌じゃないですか?」と単刀直入に聞いてみた。
すると希はこう笑顔を見せた。
「高校を卒業して、ロアッソ熊本に入った3、4年は『早く勇也に追いつきたい、J1に上がりたい』と常に思ってました。その時、勇也のことを聞かれたら『なんだよ』と思っていたでしょうね。でも今は勇也を応援しよう、と切り替わった。何を聞かれても、素直に答えています。
W杯のときに僕や晃太に取材が殺到しましたが、それは“勇也のため”というのもあるし、この藤枝のためでもあります。今僕ができることは、このクラブが少しでも露出すること。僕らが出ることでJ3や藤枝MYFCの知名度が少しでも上がってくれればという思いで、喜んで受けています」