“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
「大迫半端ないって!」に新証言。
もうひとりの「中西」に直撃取材!
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2018/12/10 08:00
練習で真っ黒に日焼けした笑顔も眩しい、爽やかな“もう1人の中西”規真。いつかまた大迫と対戦できる日を夢見る。
「やられた」という思いを超えた衝撃。
「2点目のループシュートは、もうそれ(最初の1点)をも超越した領域でしたね。
(大迫の)後ろからボールが来たので僕はてっきり、トラップしてからGKをかわすか、シュートを打ってGKに止められるか、だと思っていたんです。でも、それは普通の高校生の感覚でしたね。
大迫選手はその遥か上を行っていて、普通に浮いたボールをポーンとループしたのではなくて、ショートバウンドのボールをループしたんですよ!
それがあんな綺麗な軌道を描いてゴールに入っていくんですから……。もう『やられた!』というより、『うおおおああああ、入った……入った……あれ入るんや……』って脱力感の方が大きかったですね」
自分の人生にとても大きな存在に。
大迫勇也はたった1試合で全国に強烈なインパクトを与えただけでなく、個人の人生にも永遠に拭いきれないほどのインパクトを与えたのである。
「でも、まさかここでこういう取材が僕のところに来るとは思っていませんでした(笑)。(鹿児島城西戦から)かなり年月が経っているのに、『大迫勇也というサッカー選手は、自分にとって物凄く大きな存在なんだな』と改めて感じさせられますよね。
今、僕もこうして大迫選手と同じプロサッカー選手を続けさせてもらっています。今のカテゴリーよりも上に行きたい気持ちはもちろんあります。でも、そこには目を背けられない厳しい現実もある。だからこそ、目の前の1試合1試合を大事にすることが、自分の今後のサッカー人生に大きくかかわってくると思って頑張っています。
もちろんその先、サッカー選手ではなく別の仕事に就くにしても、1つひとつの目の前の経験を大事にして、次に活かしていく事が重要ですから。鹿児島城西戦のように、たった1試合でここまで人生が変わることもある訳ですからね(笑)。
本当に大迫選手には尊敬の念と、『もっと頑張って欲しい』という気持ちが強いですね。まあ、向こうからしたら、『お前に言われとうないわ!』だと思いますが(笑)。今でも大迫選手からたくさん刺激を頂いています」