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「大迫半端ないって!」に新証言。
もうひとりの「中西」に直撃取材! 

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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photograph byTakahito Ando

posted2018/12/10 08:00

「大迫半端ないって!」に新証言。もうひとりの「中西」に直撃取材!<Number Web> photograph by Takahito Ando

練習で真っ黒に日焼けした笑顔も眩しい、爽やかな“もう1人の中西”規真。いつかまた大迫と対戦できる日を夢見る。

あのセリフの全文は?

 10年前以上のこのセリフが、再び日本列島を駆け巡り、サッカーファン以外の多くの人が認識する流行語となり、今年の流行語大賞にノミネートされるほどまでになった。

 残念ながら大賞はカーリング女子の「そだねー」に持っていかれてしまったが、トップ10入りを果たし、「Yahoo!検索大賞2018」という賞では流行語部門賞を受賞した。

「大迫、半端ないって!」はあくまで頭の部分であって、テレビで流されたロングバージョンの文字を起こすと、以下のようになる。

「大迫、半端ないって、もぉー。アイツ半端ないって! 後ろ向きのボールめっちゃトラップするもん! そんなんできひんやん、普通!

 そんなんできる? 言っといてや、できるんやったら。

(点とったら)喜べよ! 応援団のところ行けよ! 何でコーナーフラッグ行くねん? コーナーフラッグ行くなよ、みんな(鹿児島)城西!

 新聞や、全部新聞や。(点を)獲られたし、もう。また(大迫が)一面やし。

 またまたまたまた2発やし。1発にしとけばよかった! 1発に!」

 結局、この映像はネットに上がることで、何度も何度も繰り返し多くの人に観られるようになっていった。

もうひとりの「中西」の人生。

 話を規真に戻そう。

 同じ「中西」として試合に出場していた規真は、発言者である「中西」隆裕が卒業した後、新チームのキャプテンとして隆裕からキャプテンマークを引き継いでいた。

 そして高校卒業後は日本体育大に進学し、2014年にJ3を戦うY.S.C.C.横浜に加入。今年で5年目を迎えている。

 横浜市内の山手にある閑静な住宅街。急な坂を上った先に、彼がいつも練習しているグラウンドがあり、その脇のテラスで「大迫勇也にまつわる取材」というテーマで改めて話を聞くことになった。

「あの時(鹿児島城西戦後)のロッカールームは『タキニ(滝川第二)らしい』というか……あの時の3年生は隆裕さんを筆頭に、みんな凄くユーモアのある人が多い代だったので。負けてしょんぼりするより、いつも『笑って帰ろうぜ!』という雰囲気でしたね。

 あの時、僕は2年生だったので、『先輩、面白いこと言っているな~』と思って泣きながらも笑ってましたね」

【次ページ】 「隆裕さんは狙った訳ではなくて」

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