“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
「大迫半端ないって!」に新証言。
もうひとりの「中西」に直撃取材!
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2018/12/10 08:00
練習で真っ黒に日焼けした笑顔も眩しい、爽やかな“もう1人の中西”規真。いつかまた大迫と対戦できる日を夢見る。
「隆裕さんは狙った訳ではなくて」
「でも、まさかあの言葉がここまでの社会現象を生むとは思っていなかった。隆裕さんは狙った訳ではなくて、あれ、素の姿ですから(笑)。
当時はYouTubeでやたらと編集をされて流れていたので、僕はそれを面白半分で観ていたんです。でも、キャプテンを引き継いだら、まず同じ『中西』というのもあって、隆裕さんと比べられて。僕らの代はかなりまとめるのが大変な代だったので、凄く辛かった思いがありますね。
卒業して日体大に進学したのですが、今度は大学で『滝川第二、キャプテン、中西って……お前、もしかして?』ってめちゃくちゃ言われましたから(笑)。『お前、あの大迫半端ないって奴やんけ~』ってすぐに先輩に言われて、よく『真似しろ、真似しろ』といじられていました(笑)。
他には『あれお兄ちゃんなの?』ってめっちゃ聞かれて、『いやいや全然違いますよ!』って否定ばかりしてましたよ!(笑)。別人と分かっていての『いじり説』と『本人間違え説』と『兄弟説』のトリプルパンチでもありました(笑)」
友達を作る“ツール”に!?
大学進学を契機に、生まれ育った関西から、初めて関東での生活へ。いきなり先輩や周りにいじられ、さぞ大変だっただろう……と思っていたが、当の本人は逆にそれを活用したのだと言う。
「最初は友達が1人も居なくて寂しかったのですが、『中西いじり』が僕にとっては初対面の人とのいいコミュニケーションの『ネタ』になりましたので。
今だって、そうなんですから(笑)。それを活かして仲良くなった人が沢山います。僕は関西弁でツッコミもできるので、このネタで凄く場が明るくなるんですよ」
ただの思い出話ではなく、重要な「コミュニケーションツール」としての「大迫半端ないって!」という言葉。
それが良い人間関係に活用できているのは、もちろん規真自身の人間性によるところが大きい。明るく、時に話す相手を気遣いながら、メリハリをつけて会話をする。取材をしていても好印象を抱かずにはいられなかった。