野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
ベイ戦士よ、ブラジル音楽を聴け!
東京の裏路地から愛を込めて。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byHidenobu Murase
posted2014/07/03 10:30
クジラのマークの大洋レコード。9周年を迎えたばかりだが、南米音楽が気になる者にとっては避けては通れない名店のひとつだ。
「梶谷同様、アバンギャルドな音楽ですよ」
●筒香嘉智 Maria Rita 「Abre o peito e chora(胸をはだけて叫ぶ)」
「マリア・ヒタは1960年代に活躍したブラジルの国民的歌手エリス・レジーナのDNAを受け継ぐ娘であり、自身もラテン・グラミー賞をはじめ多くの音楽賞を受賞した王道の女性シンガーです。
偉大なる母親の重圧にも負けず、自らもブラジルを代表する歌手になったわけですからね。筒香にも“王道”のホームランバッターになって欲しいので、彼女の曲をおススメしたい。応援歌も田代のファンファーレからはじまりますし、鈴木尚典のフォームにも似ているじゃないですか。胸をはだける勢いで、師を越えてほしいですね」
●梶谷隆幸 PASSO TORTO 「Passarinho Esquisito」
「新世代の星といいますか、常識では計り知れない可能性を感じずにはいられない梶谷には、サンパウロの実験的な音楽を。パッソ・トルト。彼らの音楽を私は勝手に“エクスペリ・サンバ”と呼んでいます。
なんていうのでしょう……良い音楽であることはわかるんだけど、どう評価されるかまだわからない。ただとんでもない爆発力を秘めた音楽であることは確かなんです。ちょっと聞いてみてください。前の打席まで3打席連続三振していたと思ったら、膝元の球すくってライトスタンド、みたいなスリリングな危うさが漂うでしょう。
サンバってもっとアコースティックな譜割りができているんですけど、そういう枠を一旦ぶち壊しているんですね。でも、リズムの感じ方はサンバだったりする。梶谷同様何をやらかすかわからない、アバンギャルドな魅力にあふれた音楽ですよ」
●加賀繁 Ryosuke itoh e shiho「DANCING IN THE PLEASURE LAND」
「南米音楽関係ないですが……BOOWYは最高ですよね。僕、直撃世代なんですよ。ついでに言うと、僕はプレイヤーもやっていまして、この前BOOWYのカバー曲集を8センチCDで出したんです。奥さんと一緒に。ボサノヴァ風にアレンジしているんです。5歳の娘もコーラスで参加してくれているんですよ。『う、は!』なんて言って。
デュオ名はRyosuke itoh e shihoっていうんですけどね(照)。ええ。奥さん、元々バンドメンバー募集で応募してきた人なんですよ。ベイスターズも好きじゃなかったんですけど、一緒に見に行くようになって、今ではちゃんと見るようになりましたよね。グリエルってカッコいいとか言ってね。
……あ、スイマセン。BOOWYといえばやはり同じ高崎出身の菊地投手ですね。でも、彼は『Marionette』以外は考えられない。間奏明けまで行っちゃう本物ですからね。ここは同じ群馬県は上武大で、井納投手。いや、今年も相変わらず苦しんでいる加賀繁投手でどうでしょう。健気にやってますよ。頑張ってほしいですからね」