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ベイ戦士よ、ブラジル音楽を聴け!
東京の裏路地から愛を込めて。 

text by

村瀬秀信

村瀬秀信Hidenobu Murase

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photograph byHidenobu Murase

posted2014/07/03 10:30

ベイ戦士よ、ブラジル音楽を聴け!東京の裏路地から愛を込めて。<Number Web> photograph by Hidenobu Murase

クジラのマークの大洋レコード。9周年を迎えたばかりだが、南米音楽が気になる者にとっては避けては通れない名店のひとつだ。

国の音楽を知れば、育ってきたリズムもわかる。

――音楽を聞き込んだ人ほど南へ行く、あるいは民族的な方面へ行くと聞きますが、素人にもわかる南米音楽の魅力とはどういうものなのでしょうか?

「うーん、ブラジル音楽といえど、州ごとに音楽が違うほど多様ですので、一概には言えないのですが、ざっくりいえば……そうですね、我々にないものをすべて持っている。リズム、メロディーであったり、譜割。本当に素晴らしいですよ。

 ……野球に例えても、キューバのグリエルなんかは日本人と“リズムが違う”というじゃないですか。その国の音楽を知れば、育って来たリズムの違いがわかるというんですかね。ブラジルなら小さな頃からサンバですからね。性格的にも明るくなるのもわかります。逆にアルゼンチンの音楽はメランコリーで哀愁の感じが昭和歌謡に似ていますからね、センシティブな日本人に近いですよ。

 育って来た環境で性格が変わるのはよくわかります。僕自身も南米音楽なんてニッチなところを好んでしまう体質は、やっぱりベイファンみたいなマニアックな気質…ハハハ」

「ビッグオーシャン。そう……大洋レコードです」

――それにしても素敵なお店ですね。店内にはCDの他にもオリジナルTシャツや、サインなども所狭しと並んでいます。

「ありがとうございます。僕自身、元々はレコード会社の輸入盤部門でワールドミュージックを担当していて、お店を出した時はフランスのフレンチポップも扱っていたんです。神楽坂の町の中で2回移転しているんですけど、音楽のジャンルが絞られていき、自分が本当に扱いたいものはブラジルとアルゼンチンとタイヨウだとわかったんです。CDも現地から毎月仕入れてますが……秘蔵のパチョレックとダイモンのカードは知人から頂いたものですね」

――ブラジルとアルゼンチンと……タイヨウ? あの、スミマセン。南米音楽のお店なのに看板はなんでクジラなんですか?

「いやだなぁ……大洋はクジラじゃないですか」

――あの、レジに飾ってあるこのサイン……向こうのアーティストさんのですよね。誰のなのか聞いてもいいですか?

「ホソヤマダですよ。今日はTシャツもホソヤマダですよ」

――すみません……このお店の名はなんというのですか?

「ビッグオーシャン。そう……大洋レコードです」

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