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自転車好きは鉄道好き?
世田谷線に沿ってゆったり走る。
 

text by

疋田智

疋田智Satoshi Hikita

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photograph bySatoshi Hikita

posted2010/06/18 06:00

自転車好きは鉄道好き?世田谷線に沿ってゆったり走る。<Number Web> photograph by Satoshi Hikita

東急文化から京王文化へ。

 すぐに松原駅。松原という聞くと、あれ?「明大前」の近くじゃなかったっけ? などと私は思う。以前、京王の沿線に住んでいたことがあるからだ。

 線路沿いに「自転車駐輪場がオープンしたよ」と、書かれた幟が出ている。そうだよな、この世田谷線の周り、というか、ここまでの路線、考えてみれば、本当に自転車に向いている。

 ポタリングに向いている。

 BD-1でなくても全然構わん。正直、ママチャリだって大丈夫だよ。

 坂はない、道は狭くて曲がりくねってるから、そもそもスピードが出ず、ママチャリでも安全。小さなエリアに色んなものが収まってる。こりゃママチャリ用のコースだって。

 それにしても、松原のあたりから、確かに周囲には「京王の風」が吹いてくるね。

 東京の街々は鉄道路線によって文化が違う。

 東急と西武は違うし、京成と京急も違う。今回の世田谷線は、東急文化を小田急を経由して京王文化につなぐ道だ。ちょっと鼻が高くてソリッドな東急系のノリと、手の届きやすい「ちょっと高級」でも庶民的な京王系のノリ。それが世田谷線でグラデーション的に変わっていく。

 目の前をひっきりなしに車両が通り過ぎていく。

 赤い電車・青い電車・緑の電車の3種類かなと思っていたら、まれに黄色、紫などもあるのだね。カッティングシートの広告に彩られたものも多い。みんなモダンなLRT。

 マニアの友人に後で聞いた話では「300系」というそうで、低床式、回生ブレーキの採用などによるエコ仕様なのだそうだ。

 やがて下高井戸の駅前に出る。「普通の東京の駅前」という風情に戻る。

 昭和から平成に戻ってきたという感じ。

 なんだか世田谷線沿いは異次元へのワープといった感が濃厚にあるよ。

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